音楽放談 pt.2

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音楽の在り方 -8otto

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今年は新譜が盛りだくさんで、9月以降もThe Horrors、The National、Four Tet、さらに10月に入ってからはSt. Vincentにスマパンのビリーのソロ2作目、StarsにDFA1979にと続々リリースされている。

実はMetricのヴォーカルのEmilyもソロ作を出していて、音源を探していたところCDショップには王位ておらず、アマゾンで買おうを思ったらアルバムがなんと10円で売られている。

これだけでなく、Stars、DFA1979も。

シングルだと1曲250円なのに、アルバムで10円て、一体なんなのかはよくわからないが、ともあれありがたいことである。

そのうちCDも流通したらちゃんと買うかも知れないが。

それにしても、今年はA&C周辺が活発だね。

BSSFeistも今年出しており、Feistについては来月来日もある。

楽しみだ。


で、日本人の中でとても楽しみにしていたバンドのアルバムもリリースされた。

実に6年ぶりで、前作もとてもカッコ良くて素晴らしかったし、その後もシングルなどはちょくちょくリリースしていたものの、なかなかアルバムとしてはリリースがなかったのだけど、ようやくその時が来たのである。

8ottoである。

2006年に1stを出しており、当時英語とルーズな歌い回しの日本語と、さらにStrokesの2ndのエンジニアが携わっているというトピックも手伝って一部で話題になっていた。

当時Snoozerという雑誌でも大きく扱われており、そこで知って聞くようになったのだけど、骨太でシンプルながらにかっこいいロックンロールだった。

Strokesと比較されるような評が多かったが、ベースはガレージロックがあるけどそこにファンクっぽさもあって、それが実によかった。

その後はミニアルバム含め都合5枚のアルバムと、ライブ盤をリリースしていたのだけど、それからしばらく沈黙してしまっていた。

どのアルバムもとてもいい作品が多いし、何よりライブの熱量がとてもすごくて、彼らのライブは本当に楽しい。

始めて言ったのは代官山UNITのライブだったんだけど、物販でTシャツを買った時にライブが終わった後のドラム・ヴォーカルのマエソンがいて握手をしてもらった時に「日本で一番好きなロックバンドです」と話しをした覚えがある。

「こんなん言うてくれてるで!」なんて身内に話しかけたりしていたので、次の人もいるしと思ってすっとはけたんだけど、そしたらなんか心配になったのかちょっと追いかけ気味に「ありがとうな!」とか言っていた姿を今でも覚えている。


時は流れて今年の8月、久しぶりにライブを見たんだけど、彼らの見た目も少し変わって、その間にあった色々がなんとなくにじむようなところはあったけど、それでも相変わらずライブはカッコ良くて、そのライブの時にアルバムのリリース日が発表されたのだ。

それがようやく発売されたわけである。

このアルバムはアジカンのゴッチがプロデューサーとして入っており、それだけでなくアルバム制作や、彼らが音楽をやること自体にもかなりゴッチが背中を押したらしい。

その辺りはゴッチのブログや、マエソンのブログでも触れられており、実にいい話というか、必ずしも美談なばかりではない厳しい現実もありながらも、やっぱりグッとくるものがあった。

よかったら読んで見てください。

■マエソンのブログ


彼らの人生においても結構大きなターニングポイントを迎えた6年だったようだが、その甲斐あってというべきか、期待に違わないどころか、それを超える素晴らしいアルバムが出来上がった。

1曲目はドラムイントロとヴォーカルのみで、終盤に行くに従って楽器も入ってくる渋い曲。

しょっぱなから8otto節全開である。

2曲目はディスコ的なリズムの1曲で、腰にくるリズムが最高である。

歌詞はあえて典型的な日本っぽさみたいな感じなんだけど、何気にここにもらしさを感じてしまう。

3曲目はホーンも入れたスカっぽい曲で、これまでにない曲である。

先のライブでも演奏されたんだけど、これがまたいいのである。

今回のアルバムはこれまで以上にいろんなタイプの曲や、今までの彼らのストイックさというか、曲のクールさみたいなものとは距離を置くような曲も多いが、一方で彼ららしさがどこまでも通底していて、聞いていてなんだか嬉しくなってくる。


先のブログでも触れられているのだけど、彼らは音楽で食っていくということを一時は諦めかけたところもあったようだ。

家族を持って生活というのがシビアにのしかかってくると、自分の勝手ばかりでは立ち行かなくなるから別な仕事をしないといけなくなってくる。

そうするとメンバーと集まることができなくなってくるから、自然と音楽へ割く熱量もメンバー間でも差が出てくるだろうし、物理的に集まれないという状況が関係性を遠ざけもする。

実際彼らも力強く自信作と言ってリリースされた3rdのあたりからその苦しさは徐々にあったらしい。

彼らの音楽は同業連中にも評価が高いし、ロックを好きな人ならピンとくるであろう音源のかっこよさと、何よりライブのかっこよさがあった。

だけど、いわゆるトレンドに沿った音楽性ではないし、どちらかといえば洋楽ファンのほうが受けやすかったので、セールスなどには結び付きにくかったらしい。

マーケティングみたいな話で言えば、そういうのが上手なバンドでもなかったのはあると思うけど、いいものが必ず金になる世界でもないわけである。

それでもやりたい思いもあるし、周りが彼らの音楽を欲したことも手伝ってこうして再びアルバム出して、ツアーも組まれている。

このアルバムのリリースに伴って特設サイトも作られているんだけど、そこでは若手からベテランまでコメントを寄せている。

ベンジーのコメントなんかもあるので是非チェックして見て欲しいところだ。


ゴッチがブログでも書いていたけど、日本で音楽をやるとなると、売れるか売れないかで続けられるか続けられないかが別れてしまうような現状があって、それがとても口惜しいという現実がある。

そりゃ暮らしていくためにはお金がいるし、金を稼ぐためにはそれなりの時間を使わないといけない。

でもその時間を使いすぎると注ぎこめる熱量はやっぱり変わってくる。

そのバランスをうまくとれる人ももちろんいるけど、そういう人ばかりでもない中で、それでも才能のある人がそんな理由で埋もれていくのはやっぱり勿体無いし、やりたいと思っているのにできないというのも、やっぱり勿体無い。

まあ、現実にはやりたいことやってうまく言っている人の方が少ないし、金のために働くというのが大半なわけだけど、それって味気ないものね。

私のように、別に人生の目的もない人間にとっては彼らのようにかっこいい音楽を届けてくれて、少しでも楽しませてくれる存在はありがたいから、頑張って欲しいなと思うわけである。


ともあれ、曲は最高、ライブも最高、これが日本のロックンロールだと言える作品だと思うので、是非多くの人の耳に届くといいよね。

"Ganges-Fox"