今年は一体どうしたことか。
あのQueens Of The Stone Ageが、サマソニのみならず単独も決定。
会場は新木場だ。
まじかよ!とテンションが上がったのは私だけではないはず。
昨年フジロックでは実に14年ぶりの来日となったわけだが、連続だけでなくついに単独まで。
客層は外人の方が多かったけど、私含め熱心な日本人ファンもたくさんいるのだ。
これはいかないわけにはいかない。
そんな来日に先駆けて、彼らの代表曲をおさらいしておこう。
まずはじめにバンドについて。
このバンドは実質ヴォーカル/ギターのジョシュ・オムによるプロジェクト色の強いバンドで、パーマネントなメンバーは実質いない。
アルバムごとにメンバーが結構変わっているので、もちろん常連もいるけど固定ではない。
ただ、一般のリスナーよりもアーティスト人気が当時から高く、まさにアングラヒーローと呼ぶべき存在だったらしい。
ちなみにこんな楽曲だ。
重低音も効きまくりでかなりかっこいい。
今でも言われるようにストーナーロックなどと呼ばれていたが、本人はこの呼称は気に入らなかったらしい。
ちなみにそのファンの一人が、今でも交流のあるFoo Fightersのデイブ・グロールだ。
このバンドでもうねるようなギターリフが特徴的だったわけだが、次第にそうした周囲の期待やイメージに対して息苦しさを感じるようになりバンドは解散、ジョシュは新たな音楽を模索し始める。
コンセプトの中心にはやっぱりギターリフがあったわけだが、ロボットみたいに同じリフエオ繰り返しながらも踊れるような音楽というようなものを目指したとか。
そして結成したのがQueens Of The Stone Age、石器時代のオカマというような意味合いらしいが、彼の友人を中心に結成されたこのバンド、1stアルバムはしばらく廃盤となっていたが、数年前に再発、今では普通に入手可能だ。
この頃はまだKyuss的な感じも残っており、手探りな感じだ。
それでも今に至るもライブでよく演奏されるのがこちら。
この時のライブではデイブがドラムを叩いていた。
後述するが、アルバムに正式にジョインしたものもあったんですね。
このアルバムは当時そこまで話題にはならなかったらしいが、彼らが一躍注目されるようになったのは2ndアルバム『Rated R』である。
このアルバム冒頭の1曲目は、個人的にはまさに彼らのイメージが凝縮されていると思っている。
ドラッギーなキーワードが連呼されるだけの”Feel Good Hit Of The Summer”。
このゴリゴリなギターリフからすでに最高。
このアルバムの曲全般そうなんだけど、どこか悪ふざけ感が満載でロックンロールの危なっかしさみたいなものがあって最高だ。
ライブでも絶対聴きたい1曲である。
このアルバムが全世界で絶賛を呼んだのだけど、かねてより彼らのファンであったデイブがこの次のアルバムに参加することに。
さらにセールス的にも大成功を収めたのが3rdアルバム『Song For The Deaf』。
中でも個人的に大好きなのがこの曲だ。
"Song Of The Dead"
イントロのギターからすでにやばいのだけど、ここに荒々しいデイブのドラムが入って一気に上がっていく展開など、こんなもの聞いたらじっとなどしていられない。
この頃からお友達たくさんのジョシュらしく、たくさんのゲストアクトがこっそりと参加するように。
ちなみにこのアルバムまではハゲのベーシスト、ニックがおり、曲によってはヴォーカルも撮っていたんだけど、すぐ裸になるし歌い方も激しいので、非常にこのバンドの暴力的なイメージをになっていたが、このアルバムで離脱することに。
そんな激情なアルバムの後にリリースされたアルバムは、長く連れ添ったベースのニックとも袂を分かったこともあってかどうかはわからないが、かなり静かなアルバムとなった。
アルバムタイトルも『Lullabies To Paralyze』、全体的に影の下みたいなアルバムだ。
その中でもロックな曲もあるけど、ミドルながらどすも聞いてポップさもあるこの曲をご紹介。
"Burn The Witch"。
近作にもつながるようなムードもあるだろう。
ちなみにこのアルバムにはGarbageのシャーリー・マンソンもコーラスに参加している。
この後、再びアグレッシブさを持ったアルバムで、個人的には一番好きなアルバムである『Era Vulguris』をリリース。
専門誌の表では敷居が高いなどと評されていたが、個人的にはそんなことはないと思っている。
全体に熱量高めでかなり濃いのは確かだが、曲は文句なくカッコいい。
特に先行シングルともなったこの曲は、これぞQOTSAというべきギターリフが炸裂しまくりだ。
Strokesのジュリアンもギターとコーラスでちょっとだけ参加している"Sick, Sick, Sick"。
いわゆるサビ的なところのギターがたまらない。
私はこういう曲好きなんですね。
ちなみにこのアルバムのタイトルトラックも存在するのだけど、その曲はアルバムには収録されておらず、無料で配布された(日本盤にはボートラとして収録)。
それがこの曲である。
この曲はNine Inch Nailsのトレント作曲の曲で、彼もコーラスでちょっと歌っている。
かっこいい曲なのに、これをあえて外すなんて、贅沢な。
ちなみに、この頃彼は傍らでは別バンド、Eagles Of Death Metalとしても活動、こちらもクイーンズメンバーもたくさん参加しているが、音楽的には70年代的な陽気なロック。
ヴォーカルはジェシーというふざけた風体の男だが、ハッピーで素敵な音楽をやっている。
なお、いわゆるデスメタルではない。
PVにはデイブ・グロールと俳優のジャック・ブラックが出演している、パンツ一丁で。
友達多いな。
このバンド、実は数年前のフランス・パリで起きた大規模テロ事件の際に、被害にあったライブ会場で当日ライブをしていたバンドだ。
この事件以降も再び活動をしているが、ヴォーカルのジェシーが事件以来少し精神をやられてしまったのではないか?と個人的には心配している。
ともあれ、もともと楽しい音楽をやろうぜ!と言って始まったバンドなので、あんな事件に巻き込まれてしまったのは不幸としか言いようがない。
応援しているぜ。
話をクイーンズに戻すが、ここからバンドとしても加速させ、バンド史上2番目の成功を収めるアルバムをリリース。
『Like A Clickwork...』と名付けられたこのアルバムは、全体に派手なシングル曲はなく、ミドルテンポでどっしりした楽曲が大半で、正直日本人にはあまり受けないタイプのアルバムだっただろう。
かなりシリアスな感じだし、何より全体的に暗い、てか重い。
それでも本国では大ヒット、まあ相変わらずかっこいいのだ。
これまでも静か目な曲がないわけではもちろんないけど、このアルバムは全体にそんなトーン。
一方で色気は一番あったと思うけどね。
そして昨年リリースされた『Villains』では、ポップアーティストのプロデューサーとして大成功を収めていたマーク・ロンソンと組んで制作。
確かにこれまで以上にポップさの際立った陽気なアルバムになった。
シングルになったこの曲では、ジョシュがタキシード着て踊ってるし。
硬質なギターバンドというイメージからは脱却しただろう。
個人的にはあのギターリフ大好きなので少し寂しい思いもするけど、でもいいアルバムでした。
なんだかんだテンションを選ばずに聞ける、彼ら流のポップアルバムと言っていいだろう。
ちなみにこのアルバムではあのエルトン・ジョンが参加している。
友達多いな。
さらにレコーディングはあのFoo Fightersのと同じスタジオだったとか。
昨年フジの時はまだアルバムはリリース前だったが、今はツアーもこなしてすっかり馴染んだ頃だろう。
2年連続で彼らを、しかも2回も見られるなんてまさに夢のようだ。
絶対にチケットを抑えなければ。
彼らは音楽的なあまり日本受けするタイプではないけど、ロックンロールのスリリングでセクシーな部分を存分にまとった稀有な存在で、日本にはなかなかいないタイプのバンドである。
ぜひこの機会にチェックしてほしいですね。