音楽放談 pt.2

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熟練の青春 ―ASH

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先週の火曜日はライヴへ行ってきた。

かねてより見たいと思っていたASHのライヴである。

今回は東京では2日間連続と言う事で、場所はLiquid Room、それでもソールドアウトにはならなかったようだ。

とはいえ、このバンドのライヴはなんだが微妙にタイミングが悪くて行けていなかった。

夏フェスでもフジロックばかりだし、どうも縁がなかったようで。

この度、休みであったので、ようやく見る事が出来たのですね。


ASHといえば、「もうアルバムは作らない!」と宣言して、同時に毎月シングルを出す!という独自の手法でもって曲を発表したことで話題となった。

シングルは全て公式サイトからダウンロードのみの販売となったことで、今と言う時代性も反映した企画としても注目された。

シングルを毎月、というと、J-POPでも6ヶ月連続とかそんなのはあった気がするが、その手のものは幾人かの作曲家が作っているので、はっきりいって出せても大した事はない。

レコーディングも大変だろうけど、何より曲を作る事が大変だろうし、しかも適当なものを作る訳には行かない訳である。

もしちょっとでも手抜かりが見えればそれで評価はガタ落ち。

それでなくとも、もし月1曲を達成できなくてもダメだしね。

そう考えると、かなりリスキーな企画だが、彼等は無事それを成し遂げて、それを2枚のCDとしてパッケージ化して発売もした。

結果的には28曲もの曲を作り、そのどれもが非常にハイクオリティ。

音楽的な幅もかなり広がって、その評価をさらに押し上げる成果を上げた。

ただ、パッケージ化して出した事で、アルバムは出さないって言ったじゃないか!という批判もあったとか。

ある意味今の時代をよく表した批判だけど、彼等のしたらこれはあくまでシングル集であって、アルバムではないのである。

アルバムであればアルバムとして作るからで、そもそもこれはアルバムを作っていた訳ではないから。

この意味が分からない人は、多分多いんだろうね。


と、まあそれはいいとして、そんな勢いにのった状況での来日なので、否が応にも期待が高まる。

シャーロット脱退以降、今一という評価が不当なほどつきまとってしまっていたが、ようやくそれも払拭されたであろう。

もともと曲は良い曲書くし、別に何かが変わった訳ではないので、単に軌道に乗った、てところだろう。

さて、そんなライヴであるが、基本的には新曲群からのチョイスが多かった。

Vol.1もVol.2も、一通りした聴いていないのだが、全く問題なく楽しめた。

新曲の中には打ち込みを入れたものも多々在り、そういった目新しさも面白かった。


間に過去の曲も挟みながらで、特に前半部は新曲→旧曲→新曲→旧曲と、うまく織り交ぜて観客をあっためるやり方もかなりライヴをこなしているからこそだろう。

初っ端から”Life Less Ordinary”、”Girl From Mars”がきたのはさすがにテンションが上がった。

新曲もツボを抑えていて、やっぱりポップポテンシャルが高いよね。

間間に日本語でお礼を言ったり、ドラムのリックとティムが何か言いあったりと、終止和やかで楽しげなムードであったのも良かった。

今回サポートギターのラッセルが病気だかで欠場となった分、過去の曲はいくつか音の厚みが弱くなってしまった感は否めなかったが、却って3人編成でのライヴは貴重だったかもしれない。

別に物足りなさはなかったしね。

過去のアルバムからでは、やはり「Free All Angels」からの曲が多い印象だったが、ほぼ万遍空く拾ってはいた。

1stからも3曲、2ndは実質1曲、ていうか純粋にはないか、3rdからは3曲、4thからは1曲、5thからはなかったな、そういえば。

こうして見るとやっぱり色々考えてやっているよね。

新譜からの"True Love 1980"なんかも良かったし、ていうか今一だな、と思う瞬間がなかった。

で、個人的に初めて聴いたけどおもしろかったのが”Kamakura”である。

日本をモチーフにした曲で、Vol.1の方に日本盤のボーナストラックとして収録されている。

アップテンポで非常に明るい良い曲である。

この曲はPVも作成されており、YouTubeでも見られるので是非一度チェックしてほしい。

PVには、ダイノジ大地や、エヴァの物まねで有名になった稲垣サキも出ている。


それにしても、私の中のASHというバンドの評価は、非常に独特なところにいる、という印象が在る。

何系という括りはし辛いし、何か強烈な個性のあるバンドと言う訳ではない。

純粋に良い曲を書く良いロックバンド、という印象か。

大体ある程度音楽性だったり、色んな部分でいくつかのバンドと同系に見る事はできるし、少なくとも認識としてそういう部分であるんだけど、このバンドに突いてはそれがない。

Foo Fightersなんかもそういう印象なんだけど。

それに、ヴォーカル/ティムの、あのいつまでも瑞々しさを感じさせる声もやっぱり重要である。

決してうまいヴォーカリストではないけど、それが余計に楽曲の印象も強くしている気がするね。

いわゆる青春という言葉が非常にしっくり来るのである。

前作「Twilight Of The Innosence」ではそうした印象を払拭するような壮大さのあるアルバムであったが、今回はそれもこれも全て包括したような曲群だったので、やっぱりワンステップ上がったということだろうね。


ともあれ、実に楽しく、かっこよく、ライヴは大盛況であった。

最後に3人が前に並んで、肩を組んで一例をする様子も、ありがちだけどなんかフィットしてたな。

「来年も来るよ」というようなMCもあったように、多分またきてくれるだろうから、そのときもまた行きたいね。

良いライヴだったな。