音楽放談 pt.2

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時代の変わり目 ―R.E.M. Best Album

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一年というのは、過ぎ去れば実にあっという間で、それが積み重なって行ったとき、実は人生もあっという間なのかもしれない。

私は現在26歳であるが、20代後半という分類に至った事に気がついた瞬間、えも言われぬ焦りのような感情を抱いたものだ。

まだ若いだろ、と上の世代は言うだろう。

だけど、若いからって何でも浮き浮きしている訳ではない。

そんな事は皆経験している事のはずである。

もっとも、そういいたくなる気持ちもわからいではないがね。

彼等の言いたい事は、まだ全然大丈夫、だって俺も大丈夫だし、て言う事だと思うけどね。


それはともかく、今年は実に激動という言葉のふさわしい一年でした。

年明け早々に怒った大震災は、自分も被災地域にいる訳で、物理的な被害は東北に比べるべくもないし、実際の不利益と言ったら精々震災後1ヶ月近く物資が不足がちだったということくらいだろう。

とはいえ、震度5強とかそのレベルの揺れを体感し、ビルが波打つのを見て、ひびが入る様を見た後にテレビで見た津波に街が呑まれて行く映像というのは、かつてないほどのリアリティで持って目に飛込んできた。

昨日までの現実がまるで嘘のように、明日からも再び時間が動き出すのがまるで信じられないほど。

当日はしばらく近くのファミレスで待機してたけど、そのわずか数時間ですらえも言われぬ不安やストレスを感じたものだ。

今に至っては、それすらもそんな事もあったな、といった認識に落とし込めているのは幸いな事である。


ただ、今に至るも日本という国が落ち着きを取り戻したかと言えばそんな事は微塵もない。

むしろそれを景気に国民の不安やストレスが一気に噴出するように、様々なところで歪さが出始めている気がする。

政治不安がこれほど渦巻いているのは戦後以来ないんじゃないの?くらいではなかろうか。

方向性の定まらない民主党政権、ただでさえ不足していた財源が更に赤字を加速させて行く。

先行投資的な意味での赤字ならいざ知らず、単なるその場しのぎとしか思えないばらまきばかり。

国内の不安が増す一方で韓国の存在感(よくも悪くも人の認識にのぼると言う意味において)が増して行く中で、単なるカルチャーとしてのK-POPにも壮絶な批判。

日本人は政治不安の訴え方を知らないのだろうなと思う。

自分も含めて。

とにかく不安だし、現政府は信用できないけど、じゃあ一体誰なら信用できるのだろうか。

自民党も同じようなもの、むしろ今の日本社会の下地を作ったのは奴らに他ならないし。

かといって他の政党も似たり寄ったり、結局「党」としての利益や権力の増大を目論む私欲我欲の集団であって、そこには志など感じられない。

先の大阪の選挙で橋本さんが支持された理由は、その志があった事であろう。

何か変えててくれるんじゃないか、という期待感は、そういう志に引かれるのである。

国政もなんとかならんだろうか。


と、随分長い前置きをしてみたが、今年最後に紹介するのはそうした政治的な意味で音楽界に置いて大きな存在感を持っていたバンド、R.E.M.のラストアルバムである。

ベスト盤ではあるが、インディ―ズ時代からの曲を網羅している為、彼等のキャリアを俯瞰する意味でも非常に興味深いアルバム。

インテリ大学生バンドであった彼等は、80年代の半ばのアメリカと言う場所で、自らの主張を良質な音楽に乗せて叫び続けてきた。

その言葉は時に辛辣で、時に激しくて、でもずっと優しさを称えたものだった。

ベトナム戦争後の大統領選の年にメジャーデビューしたと思うけど、それから20年以上経った今でも彼等は彼等であり続けた。

目に見えるヒットソングは少数なのに、数万人規模のライブを平気で売り切ってしまう人気もあり、アーティストリスペクトも大きなバンドだった。

曲は、聴けば彼等の曲だとすぐにわかるけど、どの曲も素晴らしい。

デビュー当時から大きく変わる事もないので、実に不思議な感じがするんだけど、マンネリ感もないし。

政治的な活動もする一方、純粋な音楽家としても素晴らしいバンドだったと思う。


残念ながら、今年そのキャリアにピリオドを打った訳であるが、その解散の理由も何となく納得するしかなかったな。

潔いからね。

彼等は役目を終えたのだろう。

私はファン歴が長い訳じゃないけど、彼等の音楽を聴いていると本当に救われる思いがするのである。

色んなテーマの曲があって、その時々で響く曲、アルバムは違うんだけどね。

ベストでこうして聴いてみると、それがより際立つ。

再結成に湧く業界において、彼等のあっさりとした解散劇は、静かなビックニュースだったもの。


時代が変わるときが来てるのかな。

それとも既に変わってしまったのか。

ともあれ、彼等の存在はいつまでも色褪せないと思う。

40曲入りのフルボリュームなアルバムだが、入門として是非聴いてみてほしいですね。

ちなみにこの40曲は、あくまで一部でしかないから、そこからまた色々聴いてみて欲しいものだ。

はっきり言って地味だけど、本当に聴く価値のある音楽、言葉を持っているバンドである。