音楽放談 pt.2

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クリスマスの思い出

ここ10年くらい、クリスマスというイベントがどんどん関係のないものになってきている。

 

世間的にも、昔と比べれば公式感は無くなっているように感じるし、実際TVCMなんかもそのムード感はだいぶ減退しているのではないだろうか。

 

本来キリスト教的なイベントの一つであったが、ここ日本では特に性なる夜などと呼ばれて男女の特別な日のような扱いとなっているわけだが、私は彼女がありし頃からあまりその意識というか、そういうのはなかったな。

 

もちろん向こうは一定の憧れを持ってこの日を特別視するわけだが、それはマスメディアの作り上げた商業的な意味合いしかないと思っていたしね。

 

ちなみに、私にとってクリスマスの思い出がかけらもないわけではない。

 

その思い出が、どちらかと言えば家庭的な意味での思い出なんだよね。

 

要は子供の頃の思い出である。

 

 

今でこそ皮肉屋のような私だが、小学校高学年くらいまで、マジでサンタさんを信じていた。

 

もちろん当時からサンタは親が〜みたいな言説を見ていないわけではないのだけど、それにもかかわらず私は信じていた。

 

純粋だったのか、逆に親への信頼のなさだったのか、今となってはなんとも言い難いところはあるが、いずれにせよ25日の朝は枕元にあるプレゼントに胸を躍らせたのだ。

 

いくつか覚えているものもあるけど、戦隊モノのロボットのおもちゃとか、当時出たばかりのゲームボーイスーパーファミコンのソフトなど、年末から年明けにかけて楽しく遊んだものだ。

 

面白いもので、その包み紙の匂いもすごくよく覚えていて、今でもそうしたプレゼント用の包装紙の匂いを嗅ぐとなんだか楽しい気分になる。

 

物理的にどうかは別にして、私にとってあの匂いは幸せの匂いなのである。

 

これだって商業的な目的がきっかけで、親はそれに従ったと言えばそうだけど、子供の私にとっては胸が踊る不思議の一つだったのよね。

 

 

その後恋人もできるような年齢になる頃には、人生史上最も世の中を呪っていたので、残念ながら恋人たちのクリスマスに感動する感性は育まれなかった。

 

高校生の頃も、なぜか私のことを好きだと言ってくれる子もいたんだけど、なんか怖かったんだよな。

 

それに、同じ部活の子だったから周りからあれこれ言われることが恥ずかしかったのもあった。

 

当時のあの子には申し訳なかったが、あれが私の甲斐性であったのだ。

 

その後もひたすら心を閉ざす方向にしか向いていなかったので、結局初めて彼女ができたのは25くらいだったものな。

 

そんな感じだったので、本当にクリスマスって彼女と過ごすとかいうよりも、子供の頃のワクワク感とか、そういうものなんだよな。

 

今思えば、なんで本人に全く関係のないこのタイミングでプレゼントもらえるのか謎でしかないよな・・・。

 

クリスチャンでもないのに。

 

でも、TVCMや新聞の折込広告でそんなムードが醸成されると、素直で単純な子供だった私は「ようわからんけどなんかもらえるんだ!」とか思っていたんだろう。

 

そのまま成長しなくて良かったような、よくなかったような・・・。

 

 

ともあれ、私にとってこの時期に聴きたい曲はラストクリスマスでも恋人たちのクリスマスでも、まして山下達郎でもない。

 

すっかり大人になってから、自分の中で共感できたクリスマスソングは、Analogfishのベーシスト、佐々木健太郎のソロ作収録の”クリスマス・イヴ”である。


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アレンジ的にはザ・クリスマスソングだけど、歌詞が家族のクリスマスの日常という感じなんですよね。

 

恋愛の期間なんて必ず終わりが来るし、刹那のものでしかない。

 

それはそれで楽しいのは確かだけど、個人的にはアクセスできない心情なのである。

 

それよりもこういう家族の、特に親の子に対する愛情みたいなものが表現されていると感じるのよね。

 

私はいい年になって子供もいないやつだが、親に振り返ってあの時りがとうね、とは絶対に言わない。

 

最後までサンタでありつづけた親の思いとか、そんなものは想像するより他はないけど、私が受け取ったものが全てだと思うので、ただ幸せな思い出としてあり続けるだろう。

 

 

それを次代に残すことができていないのは親不孝なのかもしれないが、無理にどうするものでもないし、相手もあることだし、まして子供はそこから何十年もこのクソみたいな世の中を生きていく。

 

その責任感を持てるだけの甲斐性は私にはなかったのは申し訳ない限りだが、世の中の子供を持つお父さんお母さん方には、ぜひ将来子供にとって美しい思い出であり続けるクリスマスを演出して欲しいところだ。