音楽放談 pt.2

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小休止103「振り返る」

先日会社からの帰り道、いつもの最寄り駅の改札を出て自宅のある方面出口へ向かって歩いていると、その通路の壁際に何故かネギがもたれかかっていた。

正直に言うと私はネギが嫌いだ。

どこにでもちゃっかり入っているし、細切れのくせにやけに存在感を発揮しやがる。

尤も私が何故そんなにネギが嫌いか、という理由というところについては味、食感と言ったところが主なところなんだけど、そもそも子どもの頃は食べていたし、いつの間にか嫌いになったというところで、記憶にある中では中学生の頃にはネギを有り難く頂戴する他の家族を尻目にみそ汁からもネギを排除していた。

食べて食べられない事もないが、美味しいとは思わないので、好んで食べる事はしないし、ラーメンも基本ネギ抜きだ。


そんなネギ嫌いの私であるにも関わらず、そのネギにはつい目を奪われてしまった。

何故ならそのネギ、非常に形が綺麗だったのだ。

頭の先は鮮やかな緑色、そこから下る茎の白さの艶かしい事。

しかもご丁寧にラッピングまでされて、さしずめ箱入り娘のようである。

ピンと背筋も伸びたその姿は、誰かを待っているイケメンなハーフモデルのようだ。

待ち人(もしくは待ちネギ)が現れたらきっと颯爽と振り返るに違いない。


それにしても不思議なのは、何故こんなところにネギが突っ立っているのか、という話しであるが、推察するに買い物帰りの主婦が買い物袋からころりと落っことしたのだろう。

其れにも気づかずに置き去りにされた彼は、何者か親切な人により踏まれないよう、潰されないよう壁に佇んでいたに違いない。

彼の待ち人とはズバリその夜彼を食さんとする家族と、その家族に飯を供する奥さんだったのだろう。

しかし、こんなに堂々たるネギを落として気づかないものだろうか。

所詮こいつらはさりげなく添えられるだけの存在なのだろう。

翌日には彼の姿はなかったのだが、果たして再会は果たせたのであろうか。


さて、どうでも良い事をつらつらと書いてしまったが、2015年も残すところあと僅かである。

今回の主題はネギについてではなく掲題の通り、今年の振り返りである。

この時期はネタが亡くなるととりあえず振り返ってみる、というのが定石で、切り口さえ変われば別な世界が見えてくるのだから便利なものだ。

しかし、ここでは音楽という縛りが存在する以上、只でさえ音楽的語彙の少ない私にはハードルが高い。

なのでごまかす為にちょっと違う導入を持ってくるという姑息な手段に出たのであった。


で、先日今年のベストは強引にまとめたのだけど、今回はライブについて。

今年も暇を見つけてはライブには足を運んだのだけど、諦めたものも多かった。

そんな中で行ったライブであるが、回数として一番多かったのはアナログフィッシュであった。

有り難い事に休日にライブを行う場合も多かったし、イベントでも観たりしたので都合5回くらいは観たんじゃないだろうか。

次に回数でいうとLilies and Remains、こちらは2回か3回くらいかな。

いずれもここ最近聴くようになった日本のバンドである。

その他にはPredawn、BDB、LITEなどもちょこちょこ観ている。

結構対バンで観たバンドも多かったので、単独ではないにしろ数は観ているな。

今年初めて観た中で驚かされたのはgoatである。

ある意味日本人っぽい生真面目な音楽だけど、ああいうスタンスのライブはあまり観た事がなかったので驚いた。

以前観たThese New Puritansなんかに指向性は近いのかもしれない。


海外組に関して言うと、単独ではほとんど観ていない。

The Velvet Teenが観られたのは非常に嬉しいことだった。

振り返ると単独で観たのは今年はこの1組だった。

1月のJulian、6月のTV On The Radioはいずれもチケットを押さえたにも関わらず来日中止という憂き目に遭った。

集客がままならなかったのだろう。

そんな事もあり、フェスやイベント、特にHostessが私の中で常連化しているため、2月、8月(サマソニの深夜枠)、11月といずれも足を運んでいて、そこで良質なアーティストを観られたのは良かったね。

それでもやっぱり以前に比べると、洋楽アーティストを観られる機会は減っているよね。

残念なことだ。


今年残すのは明日のTha Blue Herbの単独である。

Bossがソロで出したけど、今回はTBH名義のライブとなるので、非常に楽しみだ。

これが今年のライブ納めである。

今年はブラックミュージックも色々聴いた年であったが、そんな私の最期は日本発のヒップホップである。

これも何かの因果だろうか。

違うか。


まあ、ともあれ年明け以降も観たいライブはいくつか既にあるのだけど、チケットを取っているのはアナログフィッシュだけという。

どんだけ好きなんだよ、と言われても、好きなんだから仕方ない。

それに平日はやっぱりなかなか思うように時間を取れない事も多いから、行きたいと思えるものは素直に行く事にしているのである。

Toro Y Moiとかも行きたいんだけどね。

これらは当日券で飛込んでやるが。


それにしても、周りを見れば音楽から次第に遠ざかる人の方がやっぱり多い。

数少ない大学時代の友人の一人で、永らく音楽の話題に事欠かなかった彼も今年結婚したこともあってか、最近はライブから詞が少し遠のいているとか。

とはいえちょこちょこ行っているみたいだけど、やっぱり一歩引いているようだし、新しいアーティストを発掘することも最近はあまりにようだ。

他の連中でも未だにせっせと音楽を買い漁っている奴の方が少ないし、そもそも音楽好きって人もあんまりいないんだよな。

まあ、これだけ娯楽がたくさんある中で、どちらかと言えばみんなでわーっと騒ぐイベントに参加して、インスタ撮って、みたいな方が今様なのかもしれないね。


ともあれ、私は相変わらず飽きる事もなく、暇さえあればCDを買いにいってしまう。

それが楽しいのだから仕方ない。

来年もきっと、こうしてチマチマと主観的な感想文を書きながら、セッセと聴いているのだろうな。