音楽放談 pt.2

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男臭いスタイリッシュなロック -Spoon

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今年は年明けから好きなアーティストの新譜が毎月リリースされており、嬉しい限りだ。

1月はオサムさんとPlasticzooms、2月はDirty Projectors、そして昨日Spoonの新譜がリリースされた。

Shinsも出ていたのだけど、こちらはまだ買っていないがまた近々と思っている。

正直音楽ライター的な視点であれこれ批評できるほどのリテラシーはないのだけど、そんな奴でも楽しめる音楽を作ってくれる彼らは素晴らしいアーティストということだろう。

昨日買ってきたSpoonについては、新しいアルバムはまだちゃんと聴けていないのだけど、リードシングルも彼ららしい曲だったので、まあハズレはないだろう。

とりあえず前作について触れておこう。


前作は『They Want My Soul』というタイトルで、全体的なトーンは非常に明るいというか、さわやかというか、ポジティブなムードの溢れるアルバムで、私は大好きなアルバムである。

アートワークはポジにも一抹の影も匂わすネガさも感じされる中庸的なものであった。

私は彼らの曲とヴォーカルの声が好きなのだけど、このアルバムは全体的にレベルが高いと思う。

今の所このアルバムが一番好きなのだけど、次が『GaGaGaGaGa』である。

あるレビューで非常に言い得て妙と思ったのが、「GaGa~はソングライティグ、Tranceferenceはプロダクション、They Want~はそのバランス」というもので、なるほどと思った。

実際私はプロダクション云々のところはあんまりよくわからない。

言われれば、ああなるほどと思うことくらいはできるけど、一聴してすっげ、みたいな感想は抱けない。

だからか、Trance~はかっこいいアルバムなのだけど、そこまでがっつり聴かなかったんだよな。

私はやっぱり彼らの曲が好きなんだろう。

まあ、音楽なんてまずはそれありきなんだけどね。


彼らの曲は別に奇を衒ったようなエキセントリックなものではないし、むやみな派手さもない。

しかし、硬質なギターとミニマルなリズムとかで骨太さがあって、そのどっしりとした感じが実にかっこいい。

そこにヴォーカルの渋い声、少ししゃがれた声も伴って非常に男臭い感じがして、かっこいいのである。

キャッチーさのある曲もあるし、耳なじみするメロディもある。

どうやらこういう渋い感じって好きらしい。


歌詞についてみていくと、このアルバムではタイトルもそうだけど奪われるかのような不安、というテーマが多いのかなという感じがする。

彼らもここ数年で成功を収めたわけだけど、それによって得たものもたくさんあれば、思わぬ出来事に出くわすことにもなるだろうし、より多くの他人のエゴにも遭遇することになっただろう。

これまで関心を示さなかった奴らが群がってくるだろうし、あったこともない自称親戚から連絡が来ることもあったかもしれない。

透明感のある曲の多い中で、歌詞は苦悩というか戸惑いというか、そういうものを感じさせるものが置いのである。

ジャケットのテーマは「手のひらほどの希望」っていう感じなのかな。

インナージャケットは町の交差点のど真ん中に忽然と穴が空いている。

そして歌詞カードはほとんど文字だけだけど、アルバム中盤の重たいトーンの曲と、タイトルトラックのところだけまるで血が飛び散ったような感じになっている。

ここのあたりがこのアルバムがポジなのかネガなのか、と思うポイントである。

自分を傷つける周囲になすすべなく戸惑う姿を思い浮かべてしまう。

同時に自分の足場を見直すようなところもあって、1曲目の"Rent I Pay"では「眠れない」と言っていたのがラストの"New York Kiss"の最後のフレーズは「おやすみ」である。

うまく整理ついたのだな、なんて思うわけだ。


彼らが特に玄人筋を唸らせているのは、先にも少し触れたプロダクションのところである。

バンド自体はギター、ベース、ドラムの基本的なバンド編成だが、録音やいろいろのプロダクションが実に先鋭的で挑戦的、らしい。

それこそ最近アルバムについても、一聴してシンプルなのに実はかなり挑戦的なことをしていて、わかりにくいけど実はとても冒険的なバンドだ、という評価を良く見かける。

その辺りも今後はちょっと注意して聴いてみよう。


ちなみに今回のアルバムリリースに合わせて、20日はヴォーカルのブリットが来日、なんとインストアイベントを行うのである。

イベントといっても、今の所サイン会のみでライブなどはないらしい。

せっかくならアコギでもいいから1曲だけでも聴きたいのだけど、ともあれイベントチケットも無事ゲット。

サインをもらいにいく予定だ。

でも、ほんとにライブ観たい。

今年のラインナップならフジ辺りに来る可能性はありそうだ。

そうしたら、ますますフジロックがえらいことになってしまう。

Dirty Projectorsはひょっとしたらサマソニのホステス枠であるかなと思っているけど、Spoonならフジのステージの方が合いそうだし。

いずれにせよ、期待値高い。


今年は少し洋楽も活気付いている感じもして、ファンとしては嬉しいよね。

"They Want My Soul"