音楽放談 pt.2

SEO強化をしていこう。

鏡としての音楽 ーTHA BLUE HERB

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昨日は仕事納めで、私にとってはライブ納めでもあった。

 

今月は毎週末ライブに行っていて、ここ2年の鬱憤を晴らすように楽しんだのだが、そんなライブ月間の締めくくりだと勝手に位置付けている。

 

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毎回律儀に記事を書いていたとはいえ、考えてみればここ1年は更新頻度も下がってしまったのだが、やっぱり刺激があると考えることも増えるからね。

 

で、そんな最後を飾ったのは毎年恒例、年末には必ずLiquid RoomでやっているTha Blue Herbだ。

 

先月もイベントでは観ているけど、彼らの本領はやはり単独でこそ発揮される。

 

彼らは90年代からやっているわけで、ちゃんと継続的に音源も出して、音楽で稼いでいるのは彼らくらいだ。

 

MCはIll-Bosstino、トラックはO.N.O、そしてライブDJはDYEという3人が実質TBHだ。

 

Bossは50歳になったということなので、ヒップホップというジャンルにあってはオワコンとか過去の人と言われそうな年齢だ。

 

レジェンドの領域だしね。

 

実際今の若い世代でトップと言われるCreepy NutsZornなんかにとっては圧倒的なアイドルで、Zornは彼ら自身が24時間配信で対談相手として呼んだり、アルバム客演したり、そのほか様々なインタビューにも答えていたりと、Boss自身が完璧に認めている存在だったりする。

 

特に顕著なのは、セルフタイトルを冠した2枚組のアルバムでは、明らかにその影響を受けたリリックをあえて書いているとしか思えない。

 

今回のライブでは、珍しくMCも長かったのだけど、そこでも「あいつが今のトップだ」と楽しそうに話しているのが印象的だった。

 

Zornからしたら嬉しいだろうね。

 

 

と、前置きが長くなったが、今回はチケット発売間も無くで完売したこともあり、配信も決定、すっかりデジタルも使いこなしている。

 

会場はソールドアウトなので流石の満杯、といってもやはりキャパ100%入れていないようだった。

 

ともあれ会場の期待値はすでに高い。

 

彼等はヒップホップという、今の不良文化を代表する音楽ジャンルではあるが、客層は私も含めていわゆる普通のやつもたくさんいて、むしろ騒ぎたいだけのどヤンキーみたいな人はあまり見たことがない。

 

スタイルとしても自らリリシストと呼んでいるくらいそのリリックの世界観が一番の魅力なわけだが、そこに感動する人って、たとえヤンキーと言われる人でもちょっと芯のあるやつが多いのかなと勝手に思っている。

 

もう一つ面白いなと思うのは、携帯でカメラを構える人もほとんどいないということ。

 

これは今時めちゃくちゃ特殊な状況だと思う。

 

問題になり始めた当初はちらほらいたが、そのことにステージ上から彼等自身が「気持ちはわかるけど、そんなの勿体無いからちゃんと聴いてくれ」ということを言っていたこともあったが、いつしかそんなことを言わなくてもファンがわかっている状態になったのだろう。

 

私の行くライブはせいぜい2000人くらいのライブハウスがほとんどではあるが、彼等のライブでは会場全体が本当にワッとなる瞬間がたくさんあって、観客の期待値を分かりやすく感じられる。

 

それこそアイドルのライブとかはまた違うんだろうけど、本当に濃密なファンなんだろうなと思うわけだ。

 

 

開始時間を10分くらい押してスタートしたが、拍手で会場の空気が揺れるというか、あちこちでみんな力一杯するから細かな波紋が無数に広がりあっているような、そんなイメージが浮かぶくらいだ。

 

年末ということもあるだろうけど、やっぱりライブが始まった時の盛り上がりがまずすごい。

 

そして1曲目は"Amenimo Makezu"だ。

 

そりゃ盛り上がるよな。

 

そこから“北風"と、初期の曲を続けてドロップして、旧来のファンからすればたまらんだろうし、新しいファンにとってもこれ聴きたかった、とかあるだろうな。

 

そこからTBH名義の作品と、直近リリースしたDJ Hondaとのコラボアルバム、ソロからの曲を織り交ぜたセットリストを展開していく。

 

コラボアルバムでも顕著だったし、先のイベントでも感じたけど、今のBOSSはモード的にすごく明るいというか、楽しくてしょうがないというのが強く感じられるのですよね。

 

MCも結構取られて、そこではラップバトルについての苦言を呈することもあったりとか、テレビ番組に企画で呼ばれて、面白そうだと思ったが結局断った話とか、いつになく饒舌だった。

 

本当にあちこちで言われるんだろうね。

 

 

そして中盤では今年レーベルメイトになったYou The Rockも登場。

 

ソロアルバムでフィーチャリングしていたのでもちろんその曲での登場だ。

 

過去にトチってしまったことはもはや語種のように毎回いじられているが、それでも笑顔でお互い向かい合っているし、別に嫌味的なネガティブなニュアンスというよりは、今のYTRのあり方を考えた時に、むしろそのエピソードを込みでこいつ頑張ってるんだぜ、というパフォーマンスでもあったのだろうなと思う。

 

YTRのアルバムも私は買って聴いたのだけど、正直好きだったもの、この作品。

 

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これは冴えない中年の泥臭くてカッコ悪い足掻きを曝け出している。

 

反対側では変わらない本質が見えてきて、私は彼については昔よくテレビに出ていたくらいのイメージしかなかったし、音源も聞いたことはなかったけど、なんだかすごく知っている人のように感じられたものだ。

 

せっかくやってきたので、このアルバムからもリミックスverとして1曲披露された。

 

MCでは普通にトークセッションみたいになっていたが、そこで改めてこの曲のタイトルの背景や、こうして改めて活動をしている中でのあれこれも語られて、なるほどなと思ったものだ。

 

私も30半ばを超えて、そのくせいまだに大した実績も残せないままあくせくしているし、少し先の将来について不安に思ったり、死に方を考えるようになったりするわけだが、そんな中で改めて自分の昔を思い出す場面があって、曲を聴きながら改めてそんなことを重ねていた。

 

“Think About Why You Started“という言葉が改めて語りかけてくる、というやつか。

 

ライブで聴いて改めて思ったが、YTRは声が強いな。

 

 

2曲披露して彼はステージを後にしたが、そこからもまだまだライブは続く。

 

新旧はもちろん、客演したもの、特に最近はZornのアルバムでやった"Life Story"を部分的にだがよくやっている。

 

彼等の3rdアルバムのタイトルに冠された言葉だけど、これ以降の作品で変わったと言われているが、実際かなり心持ちは変わったのだろう。

 

このアルバムが、Bossが36歳の時だというから、なるほどなと思ってしまうよね。

 

私にとっても、最近やたらと頭に浮かぶのはこの“Life Story“という言葉、もちろん彼等のこのアルバムを聴いて以来、徐々に染み付いてきたような感じなんだけど、個人的には違う表現だけど同じことを言っていたんだろうなというので印象的だった言葉あった。

 

人には誰にでも語るべき物語がある、という言葉なんだけど、なんだか妙に頭にこびりついたのは20代前半の時だった。

 

そこから10年くらい経って改めて、やっぱり言葉が語りかけてくるような感覚なのだ。

 

 

すでに色々脱線しながら長くなってしまっているが、この日のライブも3時間の長丁場だ。

 

書いていて気がついたけど、曲を聴きながらそれぞれの曲で自分の中で浮かぶ景色や場面とか、いろんな人の顔だったり昔の記憶だったり色んなものを思い出してたね。

 

呂布カルマも何かのインタビューかYoutubeチャンネルかで話していたのが、表現しようと思ったことをすでにBossが言ってることが結構あるから一時聴きたくなかった、というようなことだ。

 

ひょっとしたら多くの人が感じる感覚だったり、形は違えど似たような経験を思える状況だったりを描いているんだろうな。

 

それらが紐づくからいろんなことを考えてしまうんだろうな。

 

3時間という長さで、まあ流石に長いぞとは思うのだけど、でも体感としては全然そこまでは思わない。

 

いつもそうなんだけど、それだけ音楽に没頭しているのだと思うし、まあこんだけあれこれ自分でも考えてるから、時間とかそういうことじゃないんだろうな。

 

多分毎回同じような経験をしていたと思うけど、自分の中でようやく言語化できた気がするな。

 

だからなんだかんだ彼等の音楽はずっと聴いてしまうんだろうな。

 

MCでも、俺らだけじゃなくてお客のあなたたちと一緒に作っている、という表現をしているが、もちろん彼等自身のパフォーマンスのテンションを上げるためのリアクションを求めるところもあるだろうが、他方でどう受け取るかでも楽しさは変わるぜとということもあるのかな、なんて思ったり。

 

私は音楽的なことはあまりわからないけど、その表現を通して自分が何を感じるかという感覚を大事にしているし、なんならそれがある音楽だったり絵画だったり本だったりを好むので、まさにそれを体感できるから毎回こうして足を運ぶことにもなっているのかもしれない。

 

ラストは"今日無事"で、最後は今年無事だ。

 

年末にはこの曲で締めるのが定番になってきているね。

 

最後まで万雷の拍手は続いて、満足度もめちゃ高かったな。

 

帰りは足が棒になっていたが、まあ3時間も経ってたからね。

 

期待以上に楽しかったし、変な客もいないし。

 

隣にイカつめのお兄さんがいて、MCの度に声を出して「うん・・・うん・・・そうだよ・・」とか言ってて気になったが、最後の方で両手をぶんぶん振りながら、まるでアイドルを見つめる少女のように胸の前で手を組んでいる様を見た時はなんか知らんがほっこりしたが。

 

友人と来ていたらしく、そのリアクションは「ああん?」みたいな感じなのに、そのギャップでまた思わず笑ってしまったが、彼にとってはBOSSは本当にアイドルなんだろうな。

 

 

来年はまた全国ツアーもするらしく、そして年末もすでに会場を抑えたと早すぎる公表、いつになくBOSSもずっと楽しそうだったし、MCでも曲について語ることはこれまでもあったけど、語り口がいつものようなストーリーテリングな形ではなくもっと率直だったのも驚いた。

 

本当に楽しいんだろうね。

 

年明けには24時間配信の再放送も決定、2日分けて配信されるので、今度は体にも優しいのはありがたい。

 

また音源も聴きながら、ライブを見て、楽しんでいきたいですね。

 

最高でした。


www.youtube.com

2年前の映像だけど。

ライブラッシュな年末間近

この週末はあれこれと予定があり個人的には充実した時間であった。

 

世の中的なクリスマスとは益々縁遠くなっていくが、実際以前のほど普遍的なイベントでは無くなったのではないかという気もする。

 

テレビもあまり観ないせいか、テレビCMも見ないから余計にそうなるだろう。

 

ともあれ、楽しければなんでも良かろう。

 

 

さて、この週末はまず久しぶりのBo Ningenだ。

 

今回は単独ではなくThe Hacthというバンドとの対バンであった。

 

このバンドのことは知らなかったし、正直Bo Ningen終わったらさっきと帰って酒を飲もうと思っていたので単独でいいのにと思っていた。

 

しかし、実際に聴いてみたらかっこいいではないか。

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彼らは北海道のバンドということだが、私自身久しぶりにこんなハードコアなバンドを聴いた思いだ。

 

Kuruucrewを想起させるようなかなりアグレッシブさもあり、トランペットもいるので余計そう思ってのかもしれない。

 

冬だってのにボーカルはいきなり裸だし、ボーカルもスクリーモ的なところもあり何を言っているかはわからない。

 

しかしそこはかとなくポップさもあり、そうかと思えば転調してカオティック。

 

なんだかよくわからないが清々しい気持ちにさせられる。

 

終演後にベースのあんちゃんが挨拶をして行ったが、めちゃくちゃ好青年でビックリしてみたり。

 

今度音源を聴いてみよう。

 

 

そしてBo Ningenである。

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なんやかんやこの時期に毎年ライブをやってくれているように思う。

 

コロナもあって日本に滞在している時間も長かったので、Taigenはソロ名義でもちょくちょくやっていたし、バンドも珍しくDjセットで先週だったかもライブはやっている。

 

とはいえ、バンドスタイルではやっぱり久しぶりなわけで、こうして定期的に彼らの轟音を浴びるのは大事なことだ。

 

昨年リリースの『Sudden Friction』のリリースライブとなるので、こうしてライブでこのアルバムの曲を聴けるのも楽しみだしね。

 

最近のライブでは旧曲もアレンジもよりサイケデリックで激しくなっていくので、毎回のライブが違って面白い。

 

 

ライブは意外にも旧曲でスタート、初っ端から全開である。

 

相変わらず独特なユニセックスファッションのTaigenは今日も裸にアミアミだ。

 

ギターのYukiは三つ編みおさげという特定ゾーンに刺さりまくってそうな髪型だ。

 

そしてコウヘイとモンちゃんは変わらずである。

 

2人とも仙人みたいだな。

 

それはともかく、割とYukiのギターがいつもノイジーで激しいのだけど、年々磨きが掛かっていくようだ。

 

割と序盤に"koroshitaikimochi"も演奏されたが、この曲はいつ聴いてもかっこいいな。

 

そして新譜の中ではPrimal Screamのボビーと共演した"Minimal"に顕著だが、新作は実はこれまでで1番ダンサブルな要素もあるように思う。

 

彼らの音楽はどちらかと言えばノイズの洪水でグワーっとなっていく感覚が気持ちいいのだけど、考えてみれば"Henkan"もハンマービートで縦揺れにドカンと揺らすような曲だから、元々ダンスミュージック的な側面もあったのだろうけど。

 

最近私はライブ中は目を閉じて聴くことが多いのだけど、そうすると音のひとつひとつが聞こえる一方で、渾然一体となる様もすごくよくわかるので、ライブでは特にこういう聴き方が気持ちいいのである。

 

 

MCは短いながらに終盤で挟まれたが、彼はここ数年で話すこと自体はそれほど変わっていない印象だ。

 

音楽で語る、といつも言っているからね。

 

加えてコロナ的な文脈もあるわけだが、割と物腰柔らかに見えてトンガっているのでそれを垣間見せる発言もあったな。

 

この間もライブの現場でちょっと諍いがあったらしく、それを反省する弁をTwitterで呟いていたが、気持ちはわかるのだよな。

 

歳を取れば落ち着くかと思っていたことのほとんどが、歳をとるほどにどんどんひどくなるなというのは私もよく感じる。

 

ある種のスキルで躱せるものもある一方で、どうしようもないものもたくさんあって。

 

とはいえ、それはネガティブなものばかりじゃなくて、変にカッコつけていたようなものがなくなって素直さを出せるようになることもある。

 

それは詰まるところその人の芯は何か、ということかもしれないね。

 

ラストは"Daikaisei"で暴れ回っていた。

 

曲の終盤ではジャムノイズアワーがあるわけだが、そこではいつもTaigenが見栄を切るような場面があり、プロレス好きだからその辺りからの影響かな、とか思ったり。

 

ステージ脇でスタッフもノリノリなのがなんか嬉しい。

 

今回はアンコールもなく終幕となったが、たまにこうして爆音で轟音を浴びると厄でも落としている気分になる。

 

今年はOgre You Assholeの恒例ライブも、まさかの被りで行けなかった分、ここで浴びることができて良かったな。

 

 

終わったのがちょうど21時だったので、会場を出てすぐにスマホでThe Spellboundの配信に。

 

先週のライブをまたぞおろ無料配信である。

 

嬉しい。

 

会場での体験含むものはもちろん、配信で改めてさまざまなカメラ割りでみるのもとても面白いのだ。

 

曲そのものをじっくり聴けるしね。

 

このライブでは撮影OKだったのだけど、とは言えライブ中にずっとカメラを構えている人が前にいて、かなりのノイズだったんだよな。

 

バンドの立場からはそうしてSNSなどで拡散されることが認知拡大にも広がるからいいこともあるが、それにしても限度あるだろと。

 

てか印象的な場面で写真撮るくらいならともかく、ほんとにずっと構えてる奴はせっかく生で聴けるのにもったいないとか思わないのかな。

 

と、そんなこともあったので改めて音源もちゃんと聴けるのは嬉しいのですね。

 

ライブ音源と録音の違いは、テンションにより音の強弱が如実に出るし、何よりそれを人がプレイしているわけだからその挙動も含めてのパフォーマンスである。

 

こうしてみるとやはりドラムの2人の存在感が素晴らしい。

 

福田洋子さんはブンサテからのメンバーだが、クールな佇まいがカッコいいね。

 

若手の大井くんとユニゾンする瞬間がちょいちょいあるが、ビシッと揃った瞬間はさらに痺れる。

 

中野さんもハンドクラップを促したり、歌をくじずさんでいたりと楽しそうだし、要所要所のギターやキーボードが実にいいアクセント。

 

これがセンスか。

 

そして、このバンドの大きな強みはやはり小林くんのボーカルだと思う。

 

彼はハイトーンからスクリームから幅広く歌いこなせるのだけど、特にこのバンドでは彼のクリアなハイトーンが実にハマっている。

 

楽曲自体がとても明るいというか、そもそもポジティブなフィーリングに溢れている中で、そこにハマりまくっている。

 

ほんと、数年前のノベンバのボーカルの姿からは私には想像できなかったが、『Halellujya』以降は憑き物がおちたように見た目も好青年になっていったが、元々の彼の純粋さみたいなものが素直に出てきたのだろう。

 

改めて歌詞もじっくり聴いていると、彼らの最初のリリースとなった"はじまり"の歌詞は、つい色々と重ねてみてしまうにしろ、いい歌詞だよね。

 

めちゃポップでポジティブな印象ながら、歌詞はちょっと悲しいところもあるのである。

 

わかってるよ、いつかは消えてしまうってこと、というラインがありながら、でもだからこその強さがあるのがいい。

 

と、先日ライブはライブで書いたけど、改めていいライブだったなと思ったのでした。

 

アルバムも楽しみだ。

 

 

日付変わって日曜日、お昼過ぎにササキオサムさんと、ムンチャ時代のギタリスト秋山さんとのユニットのインストアライブだ。

 

オサムさんの相方は長らくベースのわりっちだったが、ここ最近は秋山さんとライブもよく回っている。

 

秋山さんは今や売れっ子ギタリストとして様々な大物アーティストのサポートもやっているが、改めてこうして一緒にやっているのをみると、何か馬が合うようなところがあったのかもしれないね。

 

長年のムンチャファンの私からしても嬉しい取り合わせだ。

 

正直そこまで今は一生懸命聴いているわけではないが、こうして元気に、何より楽しそうに活動している様はファンにとっても嬉しいところだ。

 

このコンビのライブは私は初めましてなので、ライブとなればやっぱり楽しみだ。

 

 

インストアイベントなので、全体にゆるい感じで始まったのだが、これがまた面白い。

 

オサムさんはいつも謎のMCを展開していが、今日は秋山さんも一緒だ。

 

今回のイベントは2部制だったのだが、第1部で既にかなり喋っていたということでちょっと疲れてないか?と思ったがそんなこともなく。

 

こうして生で歌声を聞くと全然衰えておらずで、いい声だなぁと聴き入ってしまう。

 

他方でギターの秋山さんだが、さすがのテクニックというか、細かなフレーズを綺麗に奏でてくるので、その手元を見ているだけでも面白い。

 

アコースティックアレンジされた"アネモネ"は、アレンジこそ変わっているとは言え核のメロディはそれでも際立っているし、やはり名曲だね。

 

高音部は流石に出づらくなったものの、この曲は色褪せない。

 

新曲のしっとりした感じも、低音が十分に響くので色っぽくてオサムさんの声ともバッチリ合っている。

 

まぁ、作ってる本人だからそりゃそうだろうけど、最近のバンドは割と高音のボーカルも多いので、こうしたバリトンっぽい声はなんか今更新鮮にも思える。

 

ラストは"escape"だったが、なんと歌詞を間違えるという。

 

とはいえ、この曲もやっぱりかっこいい曲だ。

 

この人はやっぱり天才だよなと改めて思ったのでした。

 

終演後は撮影タイムで、観客個々のカメラにも目線をくれる。

 

最前列にいたおねぇさん方も熱心なファンなのだろう、えらい盛り上がっていたね。

 

私は最後列だったのでしばし待ってのワンショットをもらって後にしたのでした。

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ライブが終わると足速に飛び出して帰宅の途に着いた。

 

何せ夜はアナログフィッシュだ。

f:id:back_to_motif:20211226225831j:plain酒と食べ物を買い込んでいそいそと家に着く。

 

今回は昨年のTownmeeting by the Seaに続く配信ライブ第2弾、その名もBy The Lakeということで、キャンプ場の湖畔で撮影されたものをちゃんと編集、マスタリングしたものの配信で、前回と同じくDVDもリリースされる。

 

もちろん買った。

 

願わくばライブCDも欲しいので次は同梱版を、ダウンロードでもいいから音源も出してくれると嬉しい限りだ。

 

それはともかく、彼らの最新アルバムもそうだが、都会的な空気感だけでなく、どこかオーガニックというか、自然の中にあっても響く音楽なので、このロケーションと併せてどんな感じになるかが本当に楽しみだ。

 

 

配信は途中ネットワークのトラブルもあり、ちょっとノイズが入る形になってしまったのは残念だったが、ともあれやっぱり曲の良さですよ。

 

彼らのライブはいつみても元気にしてくれる。

 

その一番の理由はメンバー自身が楽しそうだからなんだと思う。

 

ポジティブは伝染するからね。

 

彼らはそれが押し付けがましくないから、悲しい気分の時に聞けばそれはそれで寄り添ってくれるような、そんな音楽である。

 

ちょっと前に彼らの最新アルバムについても書いたけど、とにかく聴いていて心地よくて、辛い現実に目を向けさせられる瞬間もあるけど、それも大事なところなんだよな。

 

今日はなぜか不意にナーバスになってしまう瞬間があったけど、数分後にはなんとか折り合いもつけられた。

 

この配信は年明けまで見られるので、またゆっくり見ながら、しばらくこの世界を味わおう。

 

DVDが来るのも楽しみだ。

 

 

と、今週末はあれこれとライブイベントに溢れていて、個人的には幸せだった。

 

他方でそれぞれの表現の意味とかを考えているとつい昔のこととか、嫌な記憶も含めて思い出してしまうので、ちょっと心乱れるところもあったが、私にとっては音楽を聴くというのはそういう行為でもあるからね。

 

最後に落ち着けたので、いい週末であった。

 

今年も残りあと数日か。

 

激動ばかりな近年だが、クソみたいな人生でもちょっとくらい足掻いてみるだけである。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

小休止202「2021年、何聴いた?」

今年もすっかり年の瀬であるが、年々季節感がなくなっていくのはなぜだろうか。

 

ともあれ、個人的恒例として今年のベストアルバムってなんだっけ?みたいなことをやっていたのだけど、近年はかつてほどあれこれと聴き漁るようなことは無くなってしまったので、単に今年よく聴いた音楽の列挙という体をとって久しい。

 

先日先駆けて今年買ったアルバムをざっと眺めてみたのだけど、かつてないほど少なくてビックリした。

 

これ結構聴いてたけど、去年だったんだ、とかそんなのもあるし、やはりそもそも買ってない。

 

サブスクも使っているとは言え、こんなに少なかったっけ?とか思ったものだ。

 

ともあれ、それも込みで整理しておくことがまずは大事だ。

 

ちなみに、Spotifyによると私が1番聴いていたのはFrank Zappaだったそうだ。

 

しかも上位5%とかに入っていたらしい。

 

たしかに思い出したようにちょいと聴いてみよう、とかいっていた記憶はあるが、正直そんなにガッツリ聴いていた認識はなかった。

 

ただ理由はわかって、私は寝る時に音楽なりラジオなりを聴いているのだけど、そのまま寝落ちして、その間流れていたのがザッパだったのだろう。

 

他のアーティストの追随を許さない圧倒的な曲数を擁しているので、プレイリストが浮気することはなかった、というかできなかったのだろう。

 

そんなわけで、本当の実感としての一年が大事である。

 

 

まずはやっぱりこちら。

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12月にリリースされたアナログフィッシュの『SNS』、すでに記事も書いたけど、このアルバムは本当にいい。

 

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毎日欠かさず聴いてしまっているが、このアルバムは彼らのファンでなくてもいいと思ってもらえるんじゃないかという、非常に楽曲のテーマも実際の曲も素晴らしい。

 

日常の何気なさと非日常の煌めきみたいなもののバランスもいい。

 

聴いていてホッとするし、楽しくなるし、人生ってのは悪くないのかななんて思わせてくれる。

 

これを機にぜひ聴いてみてほしい。


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そして私の好きな若手バンドもリリースされたが、こちらもこれまでになくテンションも高く、わかりやすい高揚の見られるアルバムだったように思う。

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D.A.Nの3rdになる『No Moon』、ジャケットから彼らの美意識みたいなものも感じられて初っ端からかっこいい展開だ。

 

割としっとりと影のイメージのある彼らだが、このアルバムではアグレッシブな彼らを見ることができる。

 

ライブもみたかったのだけど、平日で行けなかった。

 

次に期待だ。


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同じく若手組の中で期待していたのがYogee New Wavesだが、彼らも4th『WINDRAGON』をリリース。

 

彼らはすでにスタイルが確立されているので、相変わらずいい音楽を作っているなと。

 

チルアウトという言葉が一時流行ったが、彼らの音楽はそんな風情がぴったりだ。

 

休日の晴れた日に聞きながらまったりしていると、いい感じにリラックスもできる、そんな音楽だ。

 

何か大きな進化があったかといえばそんな感じではないが、彼らの音楽はどこか浮世離れした感じがあって、ちょっと現実から逃げたいぞというときに特にぴったりだ。


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若手だけでなく、ベテランもリリースしているが、今年その存在を改めて示したのがTha Blue Herbだろう。

 

本体としての活動よりは、レーベルとしての活動というべきか。

 

ヒップホップの昔ながらのファンにとっては結構胸熱なトピックだったのではないだろうか。

 

まずはYou The RockとトラックメーカーのO.N.Oのタッグでアルバムをリリース。

 

11年ぶりとなるYTRだが、リリックは土を食むような内容で、いい歳のおっさんがかっこつけもせずに情けない言葉も吐いてみせるのが、逆にかっこいいなと思ったものだ。

 

他方でBossも、彼は自身憧れのDj HONDAと組んでアルバムをリリース。

 

ここでは本体よりもある意味若々しさを感じるリリックを聞けるのが面白い。

 

この人って本当にずっと現役なんだなというのはこういうところで感じるところである。

 

今年は24時間配信をしてみたり、ライブ活動もようやく再開して以降はかなり活発だったので、ずっと楽しんでやっていくんだろうな、なんて思ったものだ。


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インディ界隈は相変わらずマイペースな人たちもいて、Newwaveの系譜で独自の活動を展開しているのがPlasticzoomsだ。

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前作のセルフタイトルのアルバムではかなりアグレッシブで彼らのパンク的な側面が強かったが、今作ではインダストリアル〜ニューロマンティックとかだろうか、アグレッシブさはそのままに、もっとパワーアップしたような印象だ。

 

私はこの界隈が好きなんだけど、彼らは期待を裏切らず、実は海外でも活動しており、直近ではロシアの高校生も聞いているらしい。

 

 

日本からはもう1くみ、個人的にここ数年でばくあがりしているのがこちら。

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The NovembersのライブDVDだが、こちらは非常によかったね。

 

配信ライブが当たり前になってきた中で、こうした趣向をしっかり凝らして映像作品として面白いものを残す方向にベクトルが向いたのはいい傾向だった。

 

世間的にはサカナクションが話題性も大きかったが、そればかりではないということをもっと知ってほしいところだ。


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他方海外勢については本当に聞く量が減ってしまった。

 

海外アーティスト自体は聞いていなかったわけではないけど、リアルタイムでないものばかりだった。

 

そんな中でも安定して聴いていたのはThe Coralだ。

 

このバンドは本当に変わらずずっといい曲を描いている。


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2枚組の対策となったコンセプトアルバム『Coral Island』をリリースしているのだけど、楽曲としてのクオリティはそのままに、また違う観点で作ってみたというかんじがちょっっと新しかった。

 

 

そして個人的に嬉しかったのはMaximo Parkだったね。


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メンバーが1人脱退してしまってからのアルバムだが、楽曲はどれも初期を彷彿とさせる疾走感に溢れていて、一時しっとり感の抑えたよな感じだったポールのヴォーカルも跳ねていて素晴らしい。

 

そしてこのアルバムのリリースに合わせて配信ライブも開催、日本むけにもコメントをつけての配信となりファンとしては嬉しい限りだ。

 

元々いい曲を書けるバンドなので、それを着実に更新しているようなキャリアである。

 

 

と、買ったものの中ではこのようなラインナップだったな。

 

旧作だったりサブスクで聴いたものはいくつかあったけど、ちゃんと聞けていないんだよな。

 

ロッキンオンとムジカでそえぞれ発表されていたが、ものの見事に聴いていない作品ばかりだった。

 

特に洋楽作品は全くと言っていいほどわからなかったな。

 

昨年もそうだったが、徐々に世間のトレンドと自分の趣味が乖離してきていることをまざまざと感じた次第だ。

 

まあ、本質的に好きだと思えるものを聞いているのが一番幸せだからね。

 

また興味が向いた時にあれこれと新しいものも聞いていこう。

 

 

魔法の時間 -The Spellbound at Studio Coast

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今日は待望のThe Spellboundのライブだ。

 

初ライブは仕事で行けず配信で観たのだけど、非常に解放感というか、そんなものを個人的には感じたものだ。

 

活動当初は5曲のシングルを全てPVもありでリリースして、その後今日に至るまでに新曲のレコーディングをしている事は彼ら自身から伝えられていたので、あわよくばこのタイミングでアルバムリリースとならないかしら、と思いながら流石に間に合わなかったようだ。

 

とはいえ、前回はブンサテとノベンバの曲もそれぞれ演奏されたが、今日はよりオリジナル曲も増えているだろうから、必然期待値も上がると言うものだ。

 

まあ、カバーはカバーで嬉しいんだけどね。

 

また会場は来年1月で閉鎖する新木場Studio Coast、私もここへ来るのはこれが最後になるだろう。

 

あの橋を渡るのがこの会場のひとつの風物詩みたいなものなんだけど、やっぱりハズレにある箱だからこそというところもあるので、寂しさはあるよね。

 

 

待ち時間にはダンス系の曲が流れており、照明の演出も含めてテンション上がる中、ライブはほぼ時間通りに開始。

 

中野さんがセンターでマニピュレーターとギターを据えて、左手側に小林くん、そしてそれをダブルドラムが挟むような配置で、今回はバックスクリーンに映像も写されて凝った演出がなれていてよかった。

 

期待通り新曲もバッチリ演奏されるし、その合間の既発曲は耳馴染みしている分やっぱり盛り上がる。

 

曲としてはやはり中野さん主体なので、ブンサテを想起させるようなダンスなノリだ。

 

小林くんは普段のノベンバとは色の違う楽曲ながら、ハイトーンの声質は楽曲との相性がいいし、何より最近の彼のモード的に歌詞の世界観ともマッチするものになっているのがいい。

 

過去のスクリームも織り交ぜた、どちらかと言えば少し陰鬱さもあるメロディを歌っていた頃と違い、とても伸びやかで澄んだ歌声が実に良かったね。

 

ドラムはブンサテの時からサポートしていた福田洋子さんと、大井一彌さんという若手だ。

 

この人数でダブルドラムというのも面白いが、ライブで見るとなるほどこういうことかしらと思うところもある。

 

やはり中野さんのベースはダンスミュージックなわけだが、打ち込みの割合が多くなる分、肉体性みたいなものがドラムで生まれていう印象だ。

 

この間のKing Crimsonはトリプルドラムだが、ドラムはやはり迫力があっていいよね。

 

手数も多いながらしっかりビートが響いて気持ちよかったですね。

 

 

しかし、こうしてライブで聴くと"はじまり"と"flower"はポップさの際立ち方がすごい。

 

パーっと開けるような感覚もある。

 

というか、彼らの音楽は解放感というキーワードが個人的にはしっくり来ている。

 

歌詞は小林くんが書いているのだと思うけど、先にも書いたように以前よりも外を向いているのでそれが楽曲のベクトルともマッチしている。

 

今回もノベンバの"TOKYO"が演奏されたのだけど、楽曲としては色が違うながらもそこはかとなくマッチして、バンドのオリジナルバンドは違う味わいも頭で良かった。

 

 

終始ハッピーな中で本編は終わったのだが、珍しくそのままメンバーも捌けることなく中野さんが話し始めた。

 

曰く、今日は小林くんの誕生日なので話します、とのこと。

 

おめでとう。

 

非常におっとりした印象の話し方で、もっとクリエイター感満載かと思っていたのでだいぶイメージが違うのだが、こうやって自分自身も前に出ながら音楽をできることが嬉しいのだろうなというのが滲み出ているようだった。

 

ライブ中も歌をなぞりながら口を動かしていたので、楽しいんだろうな。

 

そして誕生日の小林くんのためにケーキも運ばれてきて、こういうことすることになるとは思わなかったな、なんて照れ隠しのようにいうのがなんだか微笑ましい。

 

またノベンバのライブも最近割と見るようになった中で、音源もそうだしドキュメンタリーなども観ている中で、小林くんは純粋というか、中野さんがインタビューの中でイノセントという言葉を使っていたが、本当にそうなんだろうなと感じる。

 

2人の出会いというのは実にこれまた幸福なものだったのだろう。

 

アンコールでは、今回はブンサテの"Morning After"が

演奏されたのだけど、小林くんのボーカルも川島さんに寄せているとは言えやっぱりマッチしていて、モノマネというよりはリスペクトがちゃんと感じられるのが良かった。

 

近くにいた人はちょっと涙ぐんでいるように見えたが、川島さんが亡き後もこうやって楽曲が違う形で生きているのは素晴らしい事だよね。

 

 

1時間半くらいだったがあっという間で、なんだかとてもスッキリした心持ちで終わったのでした。

 

終演後には何にも告知はなかったが、こっそりバーフロアの壁にQRカードと共にアルバムリリースの報が。

 

程なくしてLINEにも届いたけど、恥ずかしがり屋なのだろうか。

 

ともあれ、年明けて2月にはリリースなので楽しみである。

 

そして若さにとってもこれでラストであろうCoastだが、やっぱり音もいいし、いい会場なので重ね重ね惜しいよね。

 

まあ、契約だから仕方ないが、また折を見てこの会場についても触れておこう。

 

最高でした。

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健在 -KYONOリリースライブ

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12月の私は実に充実しており、先週のアナログフィッシュに続き今週はKYONOのライブへ。

 

ソロ1stの時はチケットを取ったにも関わらず仕事で行けず、Twitterで知らない人にチケットを譲ったのであった。

 

以降イベントなどでライブ自体はしていたけど、なかなかタイミングも合わずコロナになったのでKYONOのライブはすっかりご無沙汰であった。

 

まぁ、私自身ラウド系の音楽をあんまり最近は聴いていないから、知らないバンドを長々聴いていられないし、かといって彼らの出番はせいぜい30分とかになるので、そのために行くのが億劫だったしね。

 

而してのちようやくこの機会、と言いつつ実はチケットはギリギリで取ったのだけど、行くと決まればあとは楽しむだけだ。

 

 

少し前に2ndについては記事を書いてみたのだけど、彼の音楽については、一言で言えば好きなことをやってるなという感じだ。

 

back-to-motif.hatenablog.com

楽曲自体はMAD時代を彷彿とさせるものもありながら、もっとメロコアっぽい曲も増えているし、コラボでは彼らに影響を受けた後輩たちともやっていて、楽しそうなんだよな。

 

良いことだよね、ほんと。

 

2nd のリリース後は配信ライブもやって、DVDにもなったので私は買ったんだけど、やっぱりかっこいいものな。

 

back-to-motif.hatenablog.com

なんだかんだ、私は彼の声が好きだし、彼の曲も激しさもありながら基本的にポジティブなフィーリングがあって好きなんだよね。

 

 

そして満を辞しての有観客ライブだ。

 

今回はゲストで元ハイスタの難波さんのやっているバンドも参加、前座を務めたのだけど、思っている以上にラウドな音楽なんですね。

 

この人も色々と形を変えながら活動をしているのは知っていたが、ちゃんと聴いたことはなかったんだよね。

 

といって今日もちゃんと聴いてはいないんだけど、音楽に合わせて飛び跳ねる観客を見て、なんだか楽しい気持ちになってくる。

 

それにしても、バンドTきてしっかり荷物も預けた人がほとんどないライブもなんか久しぶりだ。

 

割と静かめなバンドのライブへ行くことが最近は多いから、なんか懐かしさにも似たものを感じるものである。

 

細身でいかにもパンクな感じの女の子が踊っている。

 

 

ステージは30分ほどで終わり、転換が済むといよいよKYONOである。

 

生で見るのはもう何年ぶりだろうか、私の中でラウド系ボーカル最強が彼なので、こうしてみられる機会があるのは嬉しい限りだ。

 

他方で流石に年齢も重ねているし、以前ほどライブの頻度も下がってあるので声についてはやっぱり不安があったのが正直なところだ。

 

この手のジャンルは楽器に声が消されがちなのでね。

 

登場すると、なんかそれだけでテンションが上がってくる。

 

 

セットリストは、序盤は2ndの曲を中心に一気に畳み掛けてくるが、4曲終わったところでMCを挟むと既に息が切れている。

 

声のボリュームもあまり出ていない印象、てかボーカルの音量をもっと上げてほしかったが、これは終わりまでずっとこのままだった。

 

PAチームには頑張ってほしいところだ。

 

とはいえパフォーマンス含めてやっぱりかっこいいし、曲もメロディパートがしっかりしているのでポップで楽しい。

 

ただ、改めてライブで聴くと転調しまくりでドラムも乱打しまくりで乗りずらいところもあったかなという感じ。

 

楽曲のアイデアにメンバーの腕がついていってないのかなという気もしたが、まあ仕方ない。

 

それでも音圧出まくりなので、問答無用にぶっ飛ばされる。

 

 

半ば過ぎたあたりでゲストとしてKjと10-FeetのTakumaが登場、それぞれのコラボ曲を披露していった。

 

Kjかっこよかったな。

 

そして、他のコラボ曲もアンコール含めて演奏されたけど、今回はKYONO verであったね。

 

ダブルアンコールまでやってくれて、結局1時間半ちょっとやったのかな、かなり喉の負担も大きい楽曲だと思うので、思ったよりもやってくれたなという印象だった。

 

てか終盤の方が声も出ていたので、やっぱりブランクも影響あったのかなと。

 

 

こうして改めてライブで生の歌を聴くと、シャウトもかっこいいけどメロディパートを歌う時の声が非常に良いんだよね。

 

これから年齢を重ねると、だんだん声を出すのも難しくなってくると思うので、やっぱりアコースティック主体の歌い上げる系の作品も出してほしいなと改めて思った。

 

とかいいながら、基本的にカッコいいので、結果ニコニコして帰路についたのであった。

 

 

私が大学生に上がって、初めていったライブはサマソニだったんだけど、その年はヘッドライナーがNine Inch Nailsで、彼らも同じメインステージに出演していたのだが、そこで見たのがマッドとしては最初で最後であった。

 

その後Wagdugの時はよくライブに行ったし、TCLも観に行った。

 

何やかんなずっとおっかけているので、今もこうして元気に音楽を作り続けてくれているのはファンとしては嬉しい限りだ。

 

どこかでまだマッドとしてリユナイトすることを願ってもいるが、今は言うまい。

 

まだまだ頑張ってほしいね。


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最高にナイスなサウンド ーアナログフィッシュ『SNS』

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個人的に今年1番楽しみにしていた新譜はアナログフィッシュだ。

 

ライブでは昨年から既に何曲か披露されていたので、その中で方向性だったりは見えているところはあったわけだが、だからこそアルバムとしてどうなるのかが興味深いわけである。

 

表現のベクトル自体は、彼らが改めて注目されるようになったかの3部作以降の社会派バンドというイメージは前々作の時点で大分薄れて、純粋なポップミュージックというのが個人的な印象であった。

 

そうはいっても、それはあくまで表現の直接性みたいな話なので、実は常に社会という文脈の中にある表現という点では変わらないのだけど、政治的、社会的な表現は苦手だという人が聴いてもいい曲だなと思える表現になっている、という話である。

 

まぁ、個人的な価値観として、ベタベタしい、熱い恋愛模様なんてものにはなかなか共感できないし、それよりはまだ自己肯定感と自己否定に苛まれていたり、一歩距離を置いたところから見守るような愛情の表現の方が好きだって話なんだけどね。

 

 

ともあれ、12月に入りようやくリリースとなった新作『SNS』は、端的に言って彼らの最高傑作である。

 

前作もその前もその前もずっと良いんだけど、このアルバムは頭から最後まで全ての曲が尽く素晴らしく、しかも健太郎さんと下岡さんのそれぞれの楽曲の特徴が絶妙にバランスされていて、曲順も完璧。

 

ライブでプレ段階のものを聴いていたのでそのことによるある種の愛着を勝手にどの持っていたことも少なからず聴き方に影響しているとは思うけど、だからこそ最終的にこうなったのは何でなんだろう、なんて考えながら聴くのもファンとしての楽しみだろう。

 

でも、とにかく今回のアルバムはファンではない人にも本当に聴いてみてほしいと思う。

 

既に1日3回以上ずつはリピートしているが、アルバム単位でこれだけ聴いているのは久しぶりである。

 

 

アルバムの1曲目は郵政のCD曲にもなった曲だが、フルレングスで聴くのはアルバムがお初ではないだろうか。

 

明け方の未明あたりの時間だろうか、サビの歌詞の「君が笑うのが大切になってた」というラインが実に優しい。

 

この曲は下岡さん作なのだけど、“No Rain, No Rainbow“以降あたりから同じ2人の変遷を描いているような印象がある。

 

前作だと"Sophiscated Love"とかね。

 

下岡さんの詞に登場する女性のイメージは大人で落ち着きのある、まさに聡明という言葉がぴったりの人物イメージなんだけど、こういう女性は憧れるなといつも感じる。

 

静かに始まって、徐々に盛り上がりながらフワーっと歌詞の通り風が吹くような感覚もあり、曲と歌詞の同期が凄まじい。

 

 

続く2曲目は健太郎さんの"USO"、ガラリと雰囲気が変わってファンキーなギターで始まるのだけど、好きな相手に振り回される様が描かれていると思うのだけど、相手のほんのちょっとしたリアクションで最低にも最高にもなってしまう様だが、こういう曲ってあんまりなかった気がするな。

 

「何気ない言葉で、この夜は台無しに変わってしまう」というラインが、最後には「君のありふれた言葉で、この夜は宝石に変わってしまう」と変わって、結果ただの杞憂だったのだろうかなんて思うわけだ。

 

タイトルからはなんだか大人の駆け引きみたいなイメージがあるが、それも含みつつそれこそ嘘みたいにささやかな仕草や何気ない言葉に振り回される自分の様を描いているのも、恋模様というものか。

 

 

続く"Is It Too Late?"はシングルでもリリースされている曲だが、こちらはEarth Wind & Fireの"September"的な雰囲気の曲のように感じる。

 

これまで彼らのスタイルとして、自分で作った曲は自分で歌うというものだったが、この曲は作詞は下岡さんで、作曲と歌は健太郎さんである。


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面白いなと思うのは、歌詞の主人公がどういう目線だったりどういう価値観だったりを持っているのかなとか上映描写を考えながら聴いていると、なるほどこれは下岡さんっぽいなと感じるし、でも曲は健太郎さんっぽいので、絶妙な感じになっている。

 

曲は疾走感がありながら切なさと前向きさもあり、またどこか懐かしさもあるあたりが逆に新鮮に感じる。

 

「不思議な力に守られて思い出だけがいつでも綺麗なんて今さら思うとは」というラインの表現にもらしさが出ていていいですね。

 

 

続いても健太郎さん作曲で、このアルバムの大きな方向性を感じさせた最初の曲"Saturday Night Sky"。

 

ファンキーでダンサブル、めちゃくちゃアップテンポでとにかくかっこいい。


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ドラムも電子パッドも駆使して、ベースも人力ながらミニマルでかなり重低音を意識した印象。

 

歌はファルセット全開なので、こちらも80年代的ディスコな曲だ。

 

PVをみてもそれは伝わるだろう。

 

目の前の現実を見ると気が滅入るようなことが多いけど、とりあえず今は楽しく踊ろうぜ、みたいなノリがあって、アルバム中で随一に直感的に誰でも楽しめる曲ではないだろうか。

 

この曲では、補作詞としてRyo Hamamotoさんもクレジットされている。

 

もうここ数年ずっとライブは一緒にやっているので、実質準メンバーという立ち位置といって差し支えないと思うけど、このアルバムではアレンジでもかなり関わっていたようだし、こうして正式にクレジットされているのもなんだかいいですよね。

 

ちなみに、アルバムタイトルは『SNS』だが、この曲のタイトルの頭文字をとると同じくSNSだ。

 

やっぱりこの曲は一つのキーポイントだったのろうか。

 

 

さらに健太郎さんの曲が続くのだけど、こちらは聴いていて随一の幸せな気分になれる曲"Moonlight"。


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この曲が最たるものだと思うけど、このアルバムでの健太郎さんの曲はどれもとてもポジティブなフィーリングがあって、力強い印象がある。

 

Twitterであるファンが分析していてなるほど確かにと思ったのが、件の3部作においては下岡さんの曲が多く占めており、健太郎さん曲の割合が低かったんだけど、そのことでちょっと卑屈というか、そんな気分になっていたのではないかというところだった。

 

実際私も初めにこのバンドを好きになったきっかけは下岡さんの曲だったし、彼の描くかしの鋭さや表現に痺れた口なので、こんな言葉が書ける人がすぐ近くにいたら、そりゃ勝てねぇなと思ってしまうだろうな。

 

でも、聴いている側あらすれば、熱量だったり人間臭さみたいなものは健太郎さんの曲ならではだと思っていて、このバンドが最高なのはそういう違うベクトルの魅力を持ったソングライターが2人いて、しかもヴォーカルスタイルも違うことでアルバムだったりライブにおける流れでも起伏を生んでいると思っている。

 

ここ数作を経て健太郎さんのヴォーカルがますます伸びやかにソウルフルになってきているし、それを反映するように楽曲もとてもオープンになっているようにも感じる。

 

ものすごく穿った見方かもしれないけど、健太郎さんの書く曲に登場するの相手を下岡さんとその才能に対してだと見てみると、それはそれで存外しっくりくるようにも思う。

 

その視点も併せて聴くと、この曲は圧倒的にキラキラしている感じが、いい意味で開き直れているのかもしれないなとか思ったり。

 

そうしたファン目線のあれこれは置いておいても、この曲はしのごの言わずに聴いていて楽しくなるので、本当にいい曲だと思う。

 

アルバムでは中盤に位置付けられているけど、もしベストアルバムをリリースするならこの曲がラストでもいいのではないかと思える。

 

 

続く6曲目は下岡さんの日常系ソング"Yakisoba"である。

 

この曲も割と早い段階でライブでも演奏されていたので、すでにファンにはお馴染みだったけど、下岡さんのこの手の曲は本当にびっくりするくらい何気ないくせに、聴いているうちに自分の日常が重なってくるので、感情移入させられて仕方ない。

 

「何にもいいことなかった、いい日だった、いい天気だった」というサビのラインが印象的なんだけど、前作の"Copy & Paste"とベクトルは同じ感じだ。

 

コロナ禍真っ最中で、先行きがまだ見えなかった頃に作られた曲なので、しょうもない日常と、どうでもいいやんけ!と思わず突っ込みたくなるようなささやかな逡巡が、なんだかやたら愛おしく感じられる。

 

夜家に帰って、もさもさと晩飯を食べながら聴いていると、何気なく耳に入ってくる言葉に気がついたら元気付けられているような、そんな歌であるように思う。

 

 

続く7曲目も下岡さん作の"さわらないでいい"という曲だけど、この曲はアルバム中で一番静かで、とてもシリアスな曲だけどとにかく優しい。

 

「君は触らなくていい、その棘には毒があるから」「今は喋らなくていい、この沈黙は嫌じゃないから」というラインが繰り返されるかしなんだけど、抽象的な言葉の背景に色々と考えさせられる曲である。

 

この数年ではとにかくSNSがネガティブな話題でも中心にいたし、こういったところでの書き込みなどに自殺に追い込まれる人もいたりして、そうした状況を見てのところもあるように思う。

 

悪意に溢れた言葉につい反応してしまうのだけど、それには触らないで、という静かな語り掛けで、本人からしてみればそれでも気になってしまうのかもしれないし、適切に書ける言葉はなかなかないのかもしれないけど、そんなことしか言えないですからね。

 

 

そして8曲目も下岡さん作の"うつくしいほし"、できたばかりくらいの頃にライブで演奏されたのだけど、当初はJoy Divisionの"Disorder"のようなアグレッシブなギターリフが印象的だった。

 

ちなみにこちらがその曲。


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当時下岡さんがよく聴いていたらしいのだけど、下岡さんはポストパンク・ニューウェイブ的なあたりをよく聴いていて、健太郎さんはファンクやディスコ系の曲をよく聴いていたのかなと思ったり。

 

しかし、このアルバムではアレンジもだいぶ変わり、"こうずはかわらない"を想起させる感じで、とてもそこ明るいアレンジになったのが面白いところだ。

 

また彼女のセリフのところでは女性ボーカルが被さるアレンジもいい。

 

この彼女がまた絶妙に心理を読んで嫌な気持ちをサラリと流してくれるのがいい。

 

バースのところでは日常の中のめちゃくちゃごく一部分切り取りつつ、錆では視点がぐっと俯瞰というか、それこそgoogleアースの地球儀の絵になるみたいな展開だ。

 

「遠くから見れば美しいほし、遠くから見れば美しいまち」という言葉は一見すると皮肉っぽくも聴こえるけど、曲調も伴って本当はそんなにひどいもんじゃないんだよということを言っているように私には感じられる。

 

アレンジ的にもそのままJoy Divisionでないのは大正解だと思う。

 

偉そうにすいません。

 

 

ラストは健太郎さん作の"Can I Talk To You"、アルバムの中で完全初お披露目な曲ではないだろうか。

 

この曲はむしろ60年代か70年代っぽいなと思ったけど、ここまでの曲に比べるとしっとりして、歌詞もネガティブかと思えてしまうが、そうではなくて、分かりあうための対話って大事だよね、ということかなと思っている。

 

「どれだけの言葉を交わしたかが、どれだけ深く分かり合えたか、とは言えないけど」と歌われるあたりに彼のスタンスも見えるように思う。

 

前作でも"Dig Me"という曲で「正しくなりたいだけなら、少し黙っていてほしい」という歌詞があるけど、その辺りと通底する思いは同じなのかなと。

 

この曲だけラストがフェードアウトなのは余韻を残すためだろうか。

 

ジャーンみたいな感じで締めた方が、アルバムとしては明るさで終わりそうにも感じるが、このしっとりした曲で知ったりしたまま静かに消えていく感じがまたループを誘うように思う。

 

 

と、長々と書いてしまったのだけど、全曲言葉がスッと入ってくるし、聴いていると楽しかったり癒されたり慰められたり、実に聞き応えがある。

 

でも時間にして38分とかなのであっという間すぎてまたリピートしてしまうのだ。

 

冒頭にも書いたけど、このアルバムは従来のファンだけじゃなくて、初めて彼らを聴く人にこそ聴いてみてほしい。

 

先日あるラジオに健太郎さんが出演した際に、「僕らはインディーズで、音楽だけでは実質食べていけていない」といった発言をしていてなんだかハッとしてしまったんだけど、先日のライブも数十人程度の箱だったし、健太郎さんはパン屋でバイトしながらの音楽生活だ。

 

こんなにいい音楽作ってるのに、なんて思ってしまったんだけど、他方であんなに楽しそうにライブやってるのが幸福にも見える。

 

あまり知らない人にいうなら、彼らはアジカンともほぼ同期で、昨年はクアトロで対バンもしているのだけど、アジカンのゴッチもことあるごとに彼らの名前を上げている。

 

有名とかどうとかではなくて、純粋にいい音楽をやってるなと感じる数少ないバンドである。

 

こうやって色々書いちゃうと、めんどくさいファンのいるバンドとか思われてしまったら申し訳ないのだけど、その音楽を聴いてこんなに語りたくなるバンドって、すごくないですかね。

 

この歌詞すごくない?この曲めちゃ楽しくない?これまじ泣けてこない?みたいなね。

 

さまざまなところで結構大きくフックアップされているようなので、改めて彼らが世に知れ渡ることを願ってやまない。

 

日常への回帰 ーアナログフィッシュのライブが最高

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今日はアナログフィッシュとOs Ossosというバンドの対バン。

 

アナログフィッシュは年内ラスト、しかもアルバム発売直前というタイミングでもあるので行くしかないと。

 

もう一方のバンドは完全に初めましてであったが、そんなことは大した問題ではない。

 

 

最初はOs Ossosという何と読むのか初見では難しいが、せっかくなのでちゃんと聴く。

 

ミディなテンポで歌のメロディがポップだ。

 

基本穏やかな曲調ながら、後半はかなり転調しまくる曲もあったりと、一筋縄ではいかないらしい。

 

なんだか夏休みの夕方みたいなエモさがあって、また音源も聴いてみようと思う。

 

 

さてアナログフィッシュである。

 

今週には待望のアルバムもリリースとなる。

 

すでに多くの曲はライブで演奏されており、3曲が配信でリリースされているのである程度全体像はこんな感じなかなとイメージしているが、果たして全体としてどうかである。

 

今日も新曲を中心に期待しつつ、年内最後なので自ずから期待してしまう。

 

で、1曲目はいきなり新曲"Saturday Night Sky"だ。

 

早速ライブでは板についているが、この曲はかつてないほどファンキーでダンサブル。」

 

ドラムも電子パッドも織り交ぜており、ギターもカッティングで切りこく展開。

 

ベースは人力ながらかなりアンプでブーストしているようだが、これがかっこいい。

 

そして“Is It Too Late?"はより歌メロの際立つ曲だが、80年代か90年代っぽいメロディラインがいい。

 

コロナ禍において製作されたアルバムのためか、その反動とばかりにダンサブルな曲が多いし、ファンクとかディスコなテイストがひとつのテーマだろうか。

 

確か3月頃のライブで、当時まだできたばかりの"美しいほし"はイントロから見事Joy Division、今僕ポストパンクなんですよと下岡さんも言っていたな。

 

ともあれ俄然期待が高まるし、どっちの曲もライブ映えがすごい。

 

めちゃ楽しい。

 

そこからは"Showが始まるよ“などこれまでの曲で進んでいく。

 

ちなみに、今日は会場が狭いこともあって久しぶりに最前列で見たので手元もしっかり見られたんだけど、そのおかげでどっぷり入り込めたな。

 

"Ready Steady Go"はオリジナル版以上に語理書けるようなアレンジは久しいが、浜本さんの加入以降はよりエモいアレンジもされて、後半になるに従ってどんどんもりあがっていく展開はどんどん磨きがかかっている印象だ。

 

またオリジナルではベースとドラムとラップ調のヴォーカルのシンプルな曲である“最近のぼくら“は、最近ライブでは遊びまくっており毎回ちょっとずつ違うのだけど、今日は洲一郎さんのドラムが暴れまくっていた。

 

裏で密かに踊ったりノイジーにギターをかき鳴らす浜本さんもナイスだ。

 

最後はテンション上がりまくりの健太郎さんを微笑ましく見守る下岡さんという図式も。

 

この関係性が音楽にも出ているように思う。

 

そして個人的には久しぶりな“There She Goes (La La La)“も演奏されたんだけど、この曲のハッピーなフィーリングはやっぱりいいね。

 

改めてきくと、この曲もディスコ的な曲なので、今回のアルバムと地続きにあるのかもしれない。

 

歌詞も含めて幸せな瞬間のキラキラした感じを表現しているなと思う。

 

そして終盤に新曲”Moonlight“が演奏されたんだけど、この曲もまたいい。

 

なんか感動しちゃうんだよな。

 

明るい曲だし、とてもダンサブルなんだけど、彼らの曲に総じて共通する優しさとかそういうものが出てきて、なんだか泣きそうになる。

 

本編は”荒野“でラストだったのだけど、今日のセットリストは総じてこのライブができるようになってきたことに対する彼らなりの喜びなんかを表そうとしたのかなという感じだった。

 

最高だった。

 

そしてアンコールの1曲だけ演奏されたのだけど、最近また演奏するようになった"抱きしめて"である。

 

この曲は本当に名曲、シンプルな言葉とメロディで、ただただいい曲。

 

もっと最高になった。

 

 

時間は1時間くらいだったので、彼らにしては短尺だったと思うけど、ずっと幸せであった。

 

私はこのバンドを聴くようになって多分まだ10年経たないくらいだ。

 

ちょうど震災の頃に聴くようになったからな。

 

政治的、社会的なメッセージ性の高い曲も多いので、どうしてもそういう強い曲が彼らを語る際にはどうしても前に出てくるが、それだけじゃなくて普遍的な人間愛やあなたと私の世界もある。

 

何気ない日常に根ざしたような曲もたくさんあって、聴いていると自分の日常の風景ともつい照らしてしまう瞬間がたくさんある。

 

新作には“Yakisoba“という曲があり、今日も披露されたんだけど、この歌詞の世界観はまさに下岡節だ。

 

「何にもいいことなかった、いい日だった」とサビでは歌われるが、そこで歌われるのはただの日常である。

 

何気なさすぎて人によっては日記かよ、と思うかもしれないが、特に緊急事態宣言初期の頃のあの閉塞感に溢れた頃に作られたので、それを思うとどうにもグッと来てしょうがないのだ。

 

そして言葉がシンプルであればあるほど普遍性があるので、この曲も今後何かあるたびに頭の中で響くタイプの曲なんだろうなと思う。

 

 

ともあれ、とにかく最高に素晴らしいライブだった。

 

今日は数十人の小さな会場だったけど、これが数千人になっても彼らの曲が十二分に響くはずである。

 

本当にもっと多くの人にきいてほしい、そんなバンドである。

 

新作は、速攻買うぜ。


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