一日1枚のレヴューをしていけば、たぶん一年以内には気に入っている奴は一通り紹介できるであろうと思う。
実は、密かにパソコンでは個人的に1枚1枚短いコメントと点数をつけている。
暗い趣味だ、とは言わないでくれ。
そうして言葉でない音楽を自分なりに言葉で解釈してみる、という作業をすると、単純に耳からはいる刺激以上にいろんなことがみえてくるし、音楽そのものを聴くときのいろんな視点を図らずも与えてくれるのである。
ただいいいい言い続けるばかりでは進歩しない。
積極的に楽しむ術、て奴ですよ。
さて、今日の1枚は英国ポストパンク/NWの文脈からははずせないバンド、XTCの1stである。
ひねくれポップなんて形容されるように、ポップなんだけどちょっと乗りづらかったりする奇妙な曲である。
時代的にはパンク後期、もしくはポストパンク期に出てきたため、そうした文脈に据えられることが多いが、音楽自他はそれらとリンクする要素はあまりない。
しいて言えば他と違うことをするということであろう。
ソリッドなギターとコミカルで軽快なキーボードが非常に印象的であり、またヴォーカルも非常に素っ頓狂というか、特徴的な歌い方をする。
最近で言えばフランツのアレックスあたりはその辺をかなり意識いていようなきもする(まあ、彼らの場合はヘッズを意識している部分の強いのかも知れないけど)。
かなり」癖の強い音楽ではある。
このバンドは音楽だけ聴くと非常に陽気で明るい。
いかし、詞をみると結構辛らつな内容だったりもして、そうしたギャップも面白かったりする。
このアルバムに収録されている"This is Pop"という、非常にわかりやすいタイトルの曲があるが、ある意味ではこの曲は彼らのポップという概念に対するわかりやすい表明でもあるかもしれない。
奇妙な展開と上下しまくるヴォーカル、それでいてポップである。
それにしても、このXTCもそうだが80年のはじめの時期というのは、非常に刺激手金音楽が雨後のたけのこのように出てきている。
Joy Division、Gang of Four、Killing Joke、Talking Heads、Devoなどなど、信じられないくらいすごい時代である。
どいつもこいつも昨今の音楽に多大なる影響を残している。
自分も今来てもまったく古臭くないどころかかっこいいのである。
才能とひらめきと、そして自分であろうとするオリジナリティが炸裂したんじゃないかな。
ロックの面白さは、そういった多様性を受け入れられる土壌がることである。
というよりも、様式にはまらず炸裂させた自己はすべてロックでありうるのかもしれない。
アンティピカルな音楽、ぜひ一度。