Yahooニュースのトップに気になる記事が掲載されていた。
今年のフジロックと言えば、大物から新世代まで、余すところなく豪華なラインナップとなっている。
往年のファンには懐かしいツェッペリンのベーシストも参加しており、また元Nirvana、Queens of The Stone Ageの3人が名を連ねるThem Crooked Valtures、Radioheadのトム・ヨーク、レッチリのフリーが組んだ新バンド(名前を忘れてしまったが)、あとはアルバムもオリコンヒットし、武道館公演のソールドアウトも記憶に新しいMuse、Massive Attackなど、キャリアも十分な連中がごっそり。
更に昨今活況を呈しているUSインディからはご存知Broken Social Scene、!!!、そして実質ラストアルバムを表明しているLCD Soundsystemと、ここ数年の音楽シーンの要的存在のバンドも数多く出演。
こんなに充実のラインナップであるにも関わらず、何故に売れないのか。
一重に、若者の洋楽離れがある一方で、日本人フェスの活況があるだろう。
いわゆるロッキンオン系のフェスは、今やチケット取得も困難である。
ラインナップ発表前の先行販売で抑えないと、あとで取るのはかなり苦労するらしい。
私の友人でも、好きで毎年言っているのが幾人かいる。
個人的にはあの空気感が馴染まないので、よほどでないと行く気にはなれない。
洋楽離れに関しては、確かに、と思うところもある。
自分より年上の世代、ちょうど90年代に青春時代を過ごしたような人たちは、割と洋楽は何でも聴く人が多い。
実際その周辺のバンドを好む人は非常に多い。
一方で、同世代以降だと若干二分化の傾向が見られる。
聴く人はそれこそマニアックなレベルで聴くが、そうでない人は専ら邦楽専門である。
ある人に、何故に洋楽を聴かないのか、と問うた事がある。
曰く「英語がわからないから」とのこと。
しかし、その子はエルレなんかは聴く訳である。
英詞の曲もたしかあったはずだが、それは聴くのに英語が苦手てどう言う事だ。
思うに、単純に興味の幅が狭く、またそれほど音楽に対して好奇心が湧かないのだろう。
だから、特に邦楽系のフェスに関して顕著に思うと同時に、私が馴染まない感を感じる理由としては、単純に祭りを楽しみにきている、という感じがするから。
ライヴを見るのは知っているバンド、人気にアーティストのみで、自分がしらないようなバンドは例え時間が空いても見ようとは思わないのではないだろうか。
フェスの良さと言えば、なによい多くのバンドを幅広く見れることだし、試し食いのしやすさがある訳である。
しかし、そんなことはもはやどうでもよくて、そんな事よりも思い出作り、みたいな。
もちろん全部が、ということはないが、少なからずその傾向はかなり見受けられる。
あるいは、日本人でも多様化しているのに、更に海外にまで手を伸ばすゆとりもない、という事もあるかもしれないね。
洋楽離れ、並びにフェス離れは、単純に音楽に対する興味の薄さ、そして多くの音楽がありすぎる事による逆説的な選択肢の限定化、てとこだろうか。
100冊の本を薦めると、却って1冊も読まない、なんていう話もあるように、多様化しすぎて対応できないんだろうね。
実際問題私自身も大学時代に比べると、新しい音源に手を出す機会はかなり減ったように思う。
もちろん実際問題として自由時間が減った事に依る音楽に接する時間の減少があり、せっかく勝手も消化しきれない、ということもあるけど。
ともあれ、せっかく良い音楽に触れることのできる好機があるのに、それをみすみす逃してしまうもったいなさを覚えるとともに、フェス開催側もあまりに飽和しすぎて、時期も固まるし、結果的にパイの取り合いに成り下がってしまう。
せっかく良いアーティストを呼んでも、観てもらえないんじゃ意味がない。
お互いに食い合うようなまねをせずに、もっとうまく機能させる工夫も大事なんじゃなかろうか。
※P.S.
一体サマソニはどうなりたいのだろうが。
ロックフェスと言う既成をぶち破る画期的な試み、というよりはむしろ苦し紛れのような気もする。
だって、こんな奴ら呼んだっておばさんしか来ないだろう。
訳の分からんチケットの買い占めが出て、そこ以外はスカスカという惨事を招かないとも限らない。
いくらチケットの売れ行きが悪いからと言ってこれはないんじゃないか。
ガックリ来るぜ。